ライヴ・アット・ドニントン 1990 - スペシャル・エディション【初回限定盤/日本語字幕付】 [DVD]ライヴ・アット・ドニントン 1990 - スペシャル・エディション【初回限定盤/日本語字幕付】 [DVD]

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1. Slip Of The Tongue
2. Slide It In
3. Judgement Day
4. Slow & Easy
5. Kittens Got Claws
6. Adagio For Strato
7. Flying Dutchman Boogie
8. Is This Love
9. Cheap & Nasty
10. Crying In The Rain
11. Fool For Your Loving
12. For The Love Of God
13. The Audience Is Listening
14. Here I Go Again
15. Bad Boys
16. Ain't No Love In The Heart Of The City
17. Still Of The Night

かつてハードロックが全盛期だった80年代に、ハードロックの祭典とも言えるMonsters Of Rockが毎年イギリスのドニントンで開催されていた。先週のAerosmithも1990年に出演していたが、その年のトリを努めたのがこのWhitesnakeである。その時の映像が今回DVDでリリースされた。正直に言うと、私はそれほど熱心なWSのファンというわけではないのだが、ファン待望の全盛期のライブと聞いて思わず触手が伸びた。

しかし見てみてやはり惜しまれるのは映像の悪さだろう。評判が悪いのは事前に知ってはいたが、実際に見て納得。カメラがぶれたり、カラーとモノクロが終始入れ替わったり。一番酷いのはやはり画質の悪さ。これはブートレッグ並みと言える。David自身が総監督として編集に携わったらしいが、よくこれでOKを出したものだ。ステージ両脇のスクリーンで上映するために撮られていたものだったらしいので、仕方ないのかもしれないが、もう少し何とかしてほしかった。

ひとまずそれを抜きにして見れば、このメンバーの布陣と彼らが鳴らすハードロックは非常にゴージャスである。きっとこのゴージャスっぷりは古参のブルースロック時代のファンには違和感があるのだろうが、私の中のWhitesnakeのイメージはこれなのだ。

当時アルバム「Slip Of The Tongue」は賛否両論だったわけだが、その理由はSteve Vaiがバンドに合わないというものだった。確かに彼は個性が強すぎるきらいはあるけども、 私は曲としてこのアルバムは前作と並んで結構好きだった。このライブでも他のアルバムの曲と比べて遜色ない。

そしてそのSteveをやはり目で追ってしまう。ステージでのSteveはいかにも彼らしい早弾きプレイやアクション、ポージングなどを披露しており、ソロタイムでは前年に出した2枚目ソロアルバム「Passion & Warfare」から2曲も披露しながら、ギターをピアノ線で吊ったり、ステージ上を転げ回ったり、派手に暴れていた。しかしこの当時のゴージャスなバンドの中で思ったほど浮いた印象はなかった。

もう1人のギタリストはオランダ人Adrian Vandenberg。190cmの彼はステージでも他のメンバーより頭一つデカい。彼のバンドVandenberg時代から好きだったので、レコーディングまでしたらしい゛Burning Heart゛も聞いてみたかった。この日はSteveと同様に2曲ソロを披露しているのだが、そのプレイも紹介され方も全く違っていた。ただ地味ながらも好プレイだったと思う。

Rudy SarzoとTommy AldridgeのリズムセクションはOzzy Osbourne時代からのお馴染みの名コンビだ。ドラムソロでTommyはJohn Bohnamのような素手によるソロも披露していた。そして最後に何よりもDavid Coverdaleの歌唱が素晴らしかった。マイクスタンドを振り回し、ムキムキタンクトップで熱唱する彼は、この時もう決して若くはないが、間違いなく当時のトップボーカリストの1人だっただろう。

やはらこの頃はハードロックの良い時代だったなぁと感じた。

★★★☆