Live at Roadburn 2007Live at Roadburn 2007
Neurosis

Neurot Recordings 2010-09-30
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1. Given to the Rising
2. Burn
3. A Season in the Sky
4. At the End of the Road
5. Crawl Back In
6. Distill
7. Water Is Not Enough
8. Left to Wander
9. The Doorway

先日久しぶりにオフィシャルサイトを覗いてみたところ、いつの間にかライブアルバムがリリースされていた。普段いくつかの音楽ニュースサイトをチェックしているにも関わらず、これはどこにも全く話題になっていなかった。まったく、マイナーなアーティストのファンは困る。以前にShrinebuilderのレビューでも書いたが、Neurosisは今私が唯一追っているヘヴィミュージックグループである。もっとこまめにオフィシャルをチェックしなければ。

このライブは2007年に9枚目となる最新作「Given to The Rising」をリリースした直後に出演したRoadburn Festivalの音源である。全9曲、75分という時間の中に彼らの暗黒の世界観が凝縮されている。彼らの最近のキャリアは、前作「Eye Of Every Storm」まで作品を追うごとに徐々にスラッジコアからエクスペリメンタルミュージック的なものへと、つまり動から静へと方向性を変えてきていたが、最新作では再びそのベクトルを動へと戻していた。きっと行くところまで行ったということの反動だったのだろう。今回のライブでは6th「Times Of Grace」から最新作までの4枚から選曲されているが、そうした音楽性の変遷を総括した最近のものとしてはほぼベスト的な選曲と言えるだろう。

Jason Roaderの叩き出す地響きのようなドラムを支柱に、Scott KellyとSteve Von Tillが雷鳴のような怒号とギターリフで幾重にも塗りかさね、轟音の巨壁がうず高くそびえ立ってゆく。その後波が引き静かな絶望の底にいたと思うと、いつしか空気中に充満していたガスに点火するかのように、一気に爆発する。緊張感と閉塞感、サイケデリックのようなカルタシス。CDで聴く巨大なスケール感を完全に再現させている彼らの圧倒的な演奏力に驚かされる。そしてM9のラストはもはや凄まじすぎて恐怖すら覚えた。これはYou Tubeでライブ映像を見てみると、ScottとSteveがかつてのJimi Hendrixのようにアンプの前に立ち反響を使ったフィードバック奏法を利用していたようだ。これを目の前で聴かせられた日には気がおかしくなりそうだ。

実際にはこれらの演奏は、バックスクリーンに写し出されるJosh Grahamのおどろおどろしい映像を背景にして繰り広げられる。是非次はDVDとして映像でライブを見せてほしいものだ。ちなみにJoshのアルバムジャケットも今回も素晴らしい出来栄えだった。一度でいいから来日してくれないだろうか。

★★★★☆