服部(紙ジャケット仕様)服部(紙ジャケット仕様)
ユニコーン

SME Records 2007-12-19
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1 ハッタリ
2 ジゴロ
3 服部
4 おかしな2人
5 ペーター
6 パパは金持ち
7 君達は天使
8 逆光
9 珍しく寝覚めの良い木曜日
10 デーゲーム
11 人生は上々だ
12 抱けるあの娘
13 大迷惑
14 ミルク

先週は復活後2枚目のアルバム「Z」もリリースされ、ツアーもスタートしたユニコーン。私も今週の神奈川県民ホールに行ってくる予定だ。ニューアルバムも思ったよりも良かったが、今日は往年の一番彼ららしいアルバムを1枚取り上げたい。

彼らは1986年に広島で結成され、87年にデビュー。当時イカ天などによるバンドブームだったが、その中から抜きん出た存在となり強烈な個性を確立したのはこの3rdアルバムからである。デビュー作と比較するとここでは完全に方向性が異なり、もはや別のバンドと言っていい。

まず歌詞に関して言えば、デビュー作では英語タイトルで恋愛歌詞だったのが、ここではもはやストレートな恋愛表現は存在しない。単身赴任に苦悩するサラリーマンの悲哀を描いたM13や、ゲイの純愛を描いた前代未聞なM11に始まり、百戦錬磨親父への憧れM3、哀愁の野球ロマンスM10、ヒモ男への屈折した恋慕M4など、その内容は多岐に渡る。

また同様に音楽性も一気に拡散している。笹路プロデューサー編曲のM1はフルオーケストラによるメドレー、M3はDeep Purple風のハードロック、独特な曲展開を見せるM4、EBIのM5は゛Take Five゛風ジャズ、M6は各人のソロも交えたサンバ、テッシーのM9はレゲエでM10はインド風味、M12はビッグバンドのホーンセクション、M13にもオーケストラが導入されている。元々曲作りに関しては絶対の自信を持っていた民生だったが、ワンマンになることを嫌い、あえて他のメンバーにも曲を書くようハッパをかけた結果がこの作品である。もう何でもあり状態だが、こうした精神性は民生が敬愛するThe Beatlesの影響もある。

さらに彼ら独特の悪ふざけも炸裂している。まず人を食ったようなこのジャケット、バンド名もタイトルもなく誰だか分からんおっさんのどアップ。M2はえげつない歌詞をいたいけな小学生に、M10のシングルバージョンでは坂上二郎に歌わせている。他にも曲中随所に現れている。

このように5人全員が曲や歌詞を書くようになり、ここでそれぞれのカラーとキャラが確立されたと言える。ちなみに初代キーボードの脱退後、阿部Bが正式に加入したのも今作からである。早速M11で強烈にアピールしているが、この後のバンドの発展は彼の成長に負うところも大きい。

ルックスも良かったためアイドル的な人気を集めていたが、実際に彼らが歌っている内容や音楽性は、もはや10台の少女がキャーと言うような種類のものではなかった。それでも人気は上昇していくのだった。

現在彼らも40~50台の立派なおっさんなわけだが、良い意味で変わっていないようだ。相変わらずの楽しいライブを見せて、同じように歳を重ねた我々に元気を与えてくれることを勝手ながら期待している。

★★★★☆