明日に架ける橋(40周年記念盤)(初回生産限定盤)(DVD付)明日に架ける橋(40周年記念盤)(初回生産限定盤)(DVD付)
サイモン&ガーファンクル

SMJ 2011-04-20
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Disc 1: Bridge Over Troubled Water
01. Bridge Over Troubled Water
02. El Condor Pasa (If I Could)
03. Cecilia
04. Keep The Customer Satisfied
05. So Long, Frank Lloyd Wright
06. The Boxer
07. Baby Driver
08. The Only Living Boy In New York
09. Why Don’t You Write Me
10. Bye Bye Love
11. Song For The Asking

Disc 2: Live 1969
01. Homeward Bound
02. At The Zoo
03. The 59th Street Bridge Song (Feelin’ Groovy)
04. Song For The Asking
05. For Emily, Whenever I May Find Her
06. Scarborough Fair / Canticle
07. Mrs. Robinson (From The Motion Picture “The Graduate”)
08. The Boxer
09. Why Don’t You Write Me
10. So Long, Frank Lloyd Wright
11. That Silver-Haired Daddy Of Mine
12. Bridge Over Troubled Water
13. The Sound Of Silence
14. I Am A Rock
15. Old Friends / Bookends Theme
16. Leaves That Are Green
17. Kathy’s Song

Disc 3: DVD
1. Songs Of America
2. The Harmony Game : The Making Of "Bridge Over Troubled Water"

2年前の東京ドームで素晴らしいステージを魅せてくれたSimon & Garfunkel。彼らの1970年のラストアルバム「Bridge Over Troubled Water」の40周年記念盤がリリースされた。2001年リマスターのオリジナルアルバムと、2009年の来日時にリリースされた「Live 1969」、そしてドキュメンタリーを収録したDVDの3枚組である。

まずオリジナルアルバム。物心ついた頃からずっと聴いてきたが、改めて名盤であると再認識する。M1のタイトル曲には、私がまだ高校英語教員だった頃に、授業でも使わせてもらった思い出がある。荒れる河にかかる橋のようにあなたを助けようという熱い友情を歌った歌詞の内容は、ちょうど今の東日本大震災による津波被災地への応援歌としても注目を集めている。最大の聴き所はArtの歌声であり、単に綺麗なだけではない、力強い熱唱が心に迫る。最近の若者にも今一度知ってほしい名曲だ。

M2はペルー・フォルクローレの伝承曲に歌詞をつけた楽曲で、オカリナが奏でる寂寥感が印象的。Paulが解散後のソロで追い求めていくことになるワールドミュージックの原型がここにある。M3は跳ねるような軽快なリズムが楽しく、こうしたエスニックなリズム感もPaulの後のソロ活動ではよく多用された。M6も忘れてはいけない、そのスケール感はタイトル曲に匹敵し、歌詞が綴る若いボクサーのストーリーも秀逸である。どれも歴史的な名曲ばかりだ。

他の楽曲も素晴らしい曲ばかりであり、Paulのコンポーズ能力が遺憾なく発揮されている。ピアノ、オーケストレーション、ホーンセクションなど様々なサウンド作りがなされており、その飛躍的に拡散した音楽性に圧倒される。単なるフォークデュオとしてスタートした彼らのキャリアが、遂にここまで来たかという最終形である。

Disc2は既発のものであり、当初未発表曲が追加されるという話だったが、結局既発のもののままだったのは残念。ただ内容・録音ともに素晴らしいライブアルバムであるのは間違いない。バンドを率いての最初のツアーだったようで、適所にふさわしい演奏を聴かせてくれるが、むしろ2人のアコースティックな味わいの方が強い。そして曲中静かに聴き入り曲後大歓声をあげる(特にタイトル曲)観客の反応が印象深い。ぜひこれも映像で見たいものだ。

そして今回の最大の目玉は、Disc 3のDVD である。あまり当時の映像がない彼らなので、これは貴重だ。当時のTVドキュメンタリー「Songs of America」と本作のメイキング「The Harmony Game」の二本立てで、アルバム制作やコンサートの様子、2人および関係者へのインタヴューなど盛り沢山。 後半で先のサウンドメイキングの様子を垣間見て感心させられたが、むしろ前半を見て考えさせられた。これを見て感じたのは、この作品はかなり当時のアメリカの時代背景を反映しているということであり、ベトナム戦争や公民権運動、偉人たちの暗殺など緊張した社会情勢の中で、アーティストとして何ができるのかということが追及されていた。それは今の日本の情勢にも通ずるものであり、だからこそこの作品が余計に聴く者の心に響くのだろう。時代を超える名盤の由縁である。

★★★★★