被災地支援で連休もなく忙しい状況なのですが、ひとまず先週アップするつもりだったテキストだけあげておきます。ほんの2週間ほど前のことなのですが、なぜか随分前のことのような気がしてしまいます。



Eagles来日公演最終日の東京ドームに行ってきた。15:30開場、17:00開演という通常ありえない早いスタートだが、それも3時間という長丁場だからと考えれば納得がいく。観客は全盛期にリアルタイムであったであろう50代位の人が一番多かった。私はアリーナ席のC10、正面で悪くない位置だった。アリーナは時間には埋まっていたが、スタンドはかなりガラガラだったようだ。

時間5分過ぎ頃、Seven Bridge の美しいコーラスが聞こえてきて、4人がステージに横並びで立っていた。向かって左から、Timosy Shumit、Don Henley 、Glen Fly、 Joe Walsh。皆さすがにそれなりに歳を取ったように見え、特にDon は顔も体も丸くなっていた。またGlen は両腕に包帯を巻いているようだが、腱鞘炎にでもなったのだろうか。皆白っぽい服装だった中で、Joe だけがキラキラ光物が付いた黒いシャツに光沢のあるグレーのスーツで決めており、1人目立っていた。

続いてニューアルバムからDonとGlenがボーカルを取るHow Long、そしてTimosyのI Don't Wanna Hear Anymore が続く。Glenの爽やかな声、Donのハスキーボイス、Timosyのハイトーンボイス、どれも皆衰えておらず素晴らしい歌声だった。このバンドは4人が全員ボーカルを取ることができるのが強みだ。それぞれがリードを取る持ち歌を交代で歌うため、聴いている側は決して飽きることもなく、長いセットもそう感じさせない。そしてこの4人が合わせてコーラスをする時のハーモニーが絶品なのである。

トランペットが哀愁のあるメキシカンなメロディを吹いた後、4曲目にして早くもHotel California が始まる。バックには例のホテルが写し出されていた。ダブルネックを持ったサポートメンバーのStuart Smith が、Joe とツインリードを決める。改めて名曲だと実感したが、やはりここにDon Felder がいればという思いを抱かずにはいられなかった。

4人以外のバックメンバーは全部で9人。先のStuart の他に、キーボードが2人、ピアノが1人、ドラムが1人、ホーンセクションが4人。あとPeaceful などで弾いていたフィドルのプレイヤーもいた。どれも皆巧かったが、とりわけ素晴らしいプレイを聴かせてくれたStuartが一番印象的だった。彼は Joe と同じ位ギターを交換しスポットライトを浴びており、もう正式メンバーにしてもいいのではないかと思った。

Donは曲毎に色々と立ち位置を変えて忙しく動いていた。ある時はフロントに来てマイクを持ったり、アコギやエレキも弾き鳴らしたり、またある時はパーカッションを叩いたり。何よりも嬉しかったのは往年のようにドラムを叩きながら歌う姿が見られたことだ。また前半ラストでは、客席から聞こえたバケモノー!の掛け声に(この年になっても尚素晴らしいパフォーマンスを見せる彼らに対して良い意味で言ったのだろう)、Don も意味を分かっていたようで、モンスターっぽくおどけて唸り声をあげていた。気難しい人だと思っていたので、少し意外だった。そしてThe Long run を歌い始め、観客に手拍子を促した。観客はスタートからそれまでずっと熱演に対して拍手以外は微動だにせず、どうなることかと思ったが、ここに来てDon の煽りでようやくアリーナ全員立ち上がり、少しほっとした。

最後に盛り上がった前半が終了し、途中20分間の休憩を挟む。その間外のトイレに行ったが、男性トイレもとんでもない行列だった。これに並んだおかげで第二部の開始に間に合わず、No More Walks In The Woods を聞きながら急いで戻り、席に着いた時には既にWaiting In The Weeds が始まっていた。第二部のオープニングは4人がアコキを持って横並びに椅子に座ってしっとりと聴かせるアコースティックパートである。ここで改めて4人のハーモニーの素晴らしさを実感した。

後半で最も強いインパクトを与えたのはJoe Walsh。メンバー紹介で一番最後に色んな肩書きを持って紹介されていたが、Walk AwayやLife's Been Goodなど自分の出番になると嬉しそうな顔をして、叫びながらソロを弾きまくる姿は、かつてのギター小僧そのままだ。彼の根強いファンが多いことが、ライヴを見て納得させられた。また生真面目で神経質なメンバーばかりのバンドにあって、かつてチェーンソーを持ってホテルを破壊していたという破天荒な彼は、一人浮いている印象を持っていた。しかしライヴを見て、彼はバンドには欠かせないムードメーカーであることがよく分かった。94年の再結成時には、アルコールとドラッグで廃人のようだったという話も嘘のようである。

最後の方は大円団だった。それまで割とスローテンポの曲が続いていたのが、ここへ来て先のJoeのナンバーやDirty Laundry、Life In The Fast Laneなどのロックナンバーが畳み掛けるように続く。勢揃いしたホーンセクションも踊りながら演奏し華を添えていた。アリーナも再びオールスタンディングとなり大盛り上がりとなった。

本編終了後ステージを去るが、アンコールに応えすぐに戻ってくる。そして聞こえてきたのはTake it easy。彼らの原点であるカントリーロックナンバーの素晴らしさを改めて再認識した。続いてはRocky mountain Way、他の日には削られていたが、この日はノったJoe が披露してくれた。そして最後にはDesperado、Donがしっとりと熱唱を聴かせてくれ、感動のうちに幕を閉じた。

トータルで28曲3時間、未だかつて単独公演でここまで長いライヴは見たことがなかった。しかし実際次から次へと続く名曲の数々と、素晴らしいパフォーマンスにその間感動の連続であり長いと感じることは全くなかった。個人的な希望を言わせてもらうと、この場にいなかったメンバーのナンバー、例えばRandy のIs it true やTry And Love Again、Bernie のMidnight Flyer をバンジョー付きで聴いてみたかったりもしたが、そんな無理は言うまい。はっきり言ってセットリストはツアー中ほとんど変化がないわけだが、それでもこの歳で毎晩これだけのパフォーマンスを行っているのはやはりバケモノであろう。素晴らしいライブだった。

first set:
01 Seven Bridges Road
02 How Long
03 I Don't Want To Hear Anymore
04 Hotel California
05 Peaceful Easy Feeling
06 I Can't Tell You Why
07 Witchy Woman
08 Lyin' Eyes
09 The Boys Of Summer
10 In The City
11 The Long Run

second set:
12 No More Walks In The Wood
13 Waiting In The Weeds
14 No More Cloudy Days
15 Love Will Keep Us Alive
16 Best Of My Love
17 Take It To The Limit
18 Long Road Out Of Eden
19 Walk Away
20 One Of These Nights
21 Life's Been Good
22 Dirty Laundry
23 Funk #49
24 Heartache Tonight
25 Life In The Fast Lane

encore:
26 Take It Easy
27 Rocky Mountain Way
28 Desperado