...Featuring...Featuring
Norah Jones

Blue Note Records 2010-11-16
売り上げランキング : 349

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


1. Love Me - The Little Willies
2. Virginia Moon - Foo Fighters
3. Turn Them - Sean Bones
4. Baby It's Cold Outside - Willie Nelson
5. Bull Rider - Sasha Dobson
6. Ruler Of My Heart - Dirty Dozen Brass Band
7. The Best Part - El Madmo
8. Take Off Your Cool - Outkast
9. Life Is Better - Q-Tip
10. Soon The New Day - Talib Kweli
11. Little Lou, Prophet Jack, Ugly John - Belle & Sebastian
12. Here We Go Again - Ray Charles
13. Loretta - Gillian Welch and David Rawlings
14. Dear John - Ryan Adams
15. Creepin' In - Dolly Parton
16. Court & Spark - Herbie Hancock
17. More Than This - Charlie Hunter
18. Blue Bayou - M. Ward

 これまで出した4枚のソロアルバムは全世界でトータル2000万枚を売り上げ、2003年にはグラミー賞8部門も受賞。2007年には主演として映画にも出演した。そして彼女自身かの伝説的なシタール奏者Ravi Shankarの娘でもある。その音楽とは裏腹に、その功績は派手で輝かしいものである。

 Blue Noteレーベルからデビューした際にはジャズシンガーというくくりで語られていたし、今でもCDショップではジャズのコーナーに並べられている。しかし彼女はそれだけには留まっていたことはない。まず成功の理由の一つとして挙げられるのは、彼女の優れたポップセンスである。また当初からカントリーの趣向を覗かせており、2006年にはカントリーバンドThe Little Williesとしてアルバムをリリースした。さらに2008年には 覆面パンクバンドEl Madmoとしても活動した。そして最新作「The Fall」以降はピアノからギターにメイン楽器を持ち変えて、ロックを標榜している。

 このように次から次へと新たなジャンルに挑戦していくにも関わらず、本人はあくまでも自然体であるところに、個人的には何よりも魅力を感じている。そしてそこへリリースされたのが、今回のアルバムである。これはこれまでデビュー以来の10年間にコラボレーションしてきた作品の数々をまとめたものというわけだが、まずはそのメンツに恐れ入る。ジャズ、ソウル、カントリー、ロック、Hip Hopなどありとあらゆるジャンルのビッグネームが勢揃いしているのだ。これは一重に彼女の持つ音楽性や人格の魅力によるところに他ならないだろう。

 実際に楽曲を耳にしてみると、そうした様々なジャンルのアーチストに対して、柔軟に対応しながらも、やはりあくまでも自然体の彼女らしさが感じられる。Willie NelsonやRay Charlesといった大御所でも気負いは感じらない(実際は違うのかもしれないが)。Belle & Sebastianとの曲も純粋に良い曲だ。一番興味深かったのは、OutkastやQ-TipなどのHip Hop勢とのコラボで、これらはオリジナルアルバムにはなかった新鮮なイメージを聞くことができた。

 ただ個人的には、せっかくこれだけ色んなジャンルとのコラボなのだから、もう少し彼女の持つ色んなカラーを引き出して欲しかった気もする。Foo Fightersとのコラボについてのインタビューで、「やった、これで私もロックできるのねと思ったのだけど、実際に曲を聞いてみたら、アコースティックの美しい曲だった」と語っていたが、ここには明らかに彼女の落胆ぶりが読み取れる。彼女がThe Little WilliesやEl Madmoを結成したのも、こうしたコラボでも実現しえなかった本当にやりたかった音楽をやるためだったのではなかろうか。しかしにもかかわらず、このアルバムに収録された先の2バンドの作品も、バンドの特性からは離れた、いわゆるオリジナルアルバムの音楽性に近い、スローでまったりとした作品であった。

 一度大成功を収めてしまったアーチストは、その後も同じイメージを求め続けられるものである。レーベル、ファン、時には他のアーチストからも。そしてそのイメージに留まりたくないアーチストは、そのプレッシャーと戦い続けなければならない。そうした意味でも彼女の今後の動向を注目していきたい。

★★★☆