ライヴ・イン・ジャパン~イエスタデイ・ワンス・モア 武道館1974 [DVD]ライヴ・イン・ジャパン~イエスタデイ・ワンス・モア 武道館1974 [DVD]
カーペンターズ

ユニバーサル インターナショナル 2001-11-21
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1. Opening Medley (Superstar~Rainy Days and Mondays~Goodbye to Love)
2. Top of the World
3. Help!
4. Mr. Guder
5. (They Long to Be) Close to You
6. Jambalaya
7. Yesterday Once More
8. Oldies Medley (Little Honda~End of the World~Da Doo Ron Ron~Leader of the Pack~Johnny Angel~Book of Love~Johnny B. Goode)
9. Sing
10. Sometimes
11. We've Only Just Begun
12. For All We Know

 私の父は根っからのクラシック好きであり、特にカラヤンの指揮を愛していた。そんな父がポップスの中で認めていたのは数が少なく、The BeatlesとCarpentersくらいだった。私には妹がおり、また私は幼い頃ピアノやエレクトーンを習っていたのだが、私が弾いていると決まって「よし、我が家もCarpentersを結成しよう。」と言っていたものだった。あいにく私は大して上達せず、妹も歌えなかったので、父の提案が達成されることはなかったが。

 そんなCarpentersが、全盛期の74年に来日し武道館で公演をした際のDVDが、TSUTAYAのレンタルで置いてあったので借りてみた。最初に空港に到着する彼らを当時の10代の少年少女が熱狂的に迎える様子が映し出される。そして当時テレビ放映されたらしい武道館公演の模様が続く。まず最初はオープニングメドレーということで、次から次へと名曲の数々が連ねられていく。せっかくだからメドレーではなく一曲一曲最後まで聞かせて欲しかったところだが、全編を通して改めてこれらの楽曲を作ったRichardの才能に感心させられる。40年近くを経ても古さを全く感じさせないそのメロディやハーモニーやアレンジは称賛に値するだろう。

 そしてマイクを持ってフロント立って歌うKarenの歌声がやはり素晴らしい。声の伸びや声質、感情表現の仕方、全てにおいて完璧である。John Lennonにして「君は途方もなく素晴らしい声をしている」と言わしめるのももっともである。また彼女は元々ドラマーだったわけで、初期はドラムを叩きながらこの歌を歌っていたわけである。実際M3とM4で叩いてみせてくれたが、その腕もなかなかのものだった。付けくわえるとこのRichardとKaren、映像で見ると改めて長身で美男・美女だ。つくづく大した兄妹である。我が家の兄妹がCarpentersになれるはずがない…。

 他のメンバーも皆なかなかの敏腕かつハンサム揃いだ。「Now & Then」からのオールディーズメドレーでは、各メンバーの見せ場もありつつ、様々なSEやナレーションやセリフなども交えながら、まるで演劇のようにコミカルに進められる。ここでのKarenはノリノリで、役になりきった演技を見せたりなど、新たな一面を披露してくれている。

 メドレーの後はひばり児童合唱団の幼い少女達が舞台に上がりM9を歌う。緊張で固くなっている少女たちもかわいいが、Karenが日本語歌詞を歌っていたことに驚く。

 普遍的なポップスとして今でも広く愛されているCarpenters。そんな万人受けする彼らは、ともすれば逆に所詮ポップスとして敬遠されてしまう可能性もある。しかし実際に改めてその音楽に触れると、やはりその完成度の高さに驚かされるし、これが売れないはずがないと実感するのである。

★★★★★