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オジー・オズボーン クリス・エアーズ 迫田はつみ

シンコーミュージック・エンタテイメント 2010-08-02
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 今年は新作も発表しラウドパークにも来日と、ソロデビュー30周年を迎え国内でも話題のOzzy Osbourneだが、昨年本国で出版されベストセラーになった自伝書の訳本もようやく出た。私は彼のことはBlack Sabbath時代からソロの「No More Tears」あたりまでしか知らないが、特にSabbath時代を読めることを楽しみにしていた。毎度のことだが、以下に内容に関することを多々書いているので、これから本書を読む予定の方は見ないで下さい。

  これまで多くのミュージシャンの伝記を読んできたが、大抵少年時代にギターの練習に没頭し努力の先に成功を夢見たというものがほとんどである。しかしこの人の若い頃は本当にどうしようもない。労働者階級の貧困家庭に生まれ育ち、読み書きが出来ないため学校でも落ちこぼれ、仕事も長く続かず、挙げ句の果てにはつまらない窃盗の罪で刑務所に入れられてしまう。出所した後に新しいことを始めるために、経験豊かなフロントマンという嘘の広告を楽器屋に出したところから、ようやく彼の人生は動き始めるわけだ。

 むしろ凄いのはTony Iommiだ。元々彼は巧いギタリストだったが、工場の機械に指を切断されてしまう。にもかかわらず、義指でそれまで以上に弾けるまでに乗り越えたという。またその腕前を買われJethro Tullに引き抜かれるものの、あくまでもSabbathでの成功に拘り、3日でバンドに戻ってきたという。この事実はこれまで知らなかった。

  デビュー後バンドは突如降ってわいた大成功にそれまでの生活は贅沢三昧に一変する。それに伴い、アルコールやコカインなどのドラッグに溺れることになる。また黒魔術信者であるとの誤解から様々なトラブルにも遭ったようだ。

 Sabbath時代の酷い日々と比べると、ソロでスタート直後の彼は全く別人のようだ。それは一重にRandy RhoadsとSharonの存在によるところが大きかったと思われる。ここら辺の時期は、以前Rudy Sarzoの伝記本もあったが、それとも重なっており、読み比べると興味深い。そしてもちろんRandyの飛行機事故についても触れられている。

 その後もアルコールやドラッグへの依存症は続き様々な問題を引き起こすことになるが、それは彼のLDによる劣等感や、ADHDによる自己制御不能、精神不安や脅迫概念など、先天的に彼が持っている性質によるところが大きかったことも分かる。しかしそんな彼が八方塞がりの少年時代から、最終的には「The Osbournes」という番組出演により世界的な人気者となり、イギリス女王やアメリカ大統領に接見するまでになるのだから、ドラマティックな人生である。