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Little Feat

Eagle Rock Ent 2009-09-22
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1 Skin It Back
2 Fat Man In A Bathtub
3 Oh Atlanta
4 Day At The Dog Races
5 All That You Dream
6 Old Folks Boogie
7 Dixie Chicken
8 Tripe Face Boogie
9 Feats Don't Fail Me Now
10 Willin'
11 Rocket In My Pocket

 先日流れた悲しいニュース。「Richie Haywardがガンのため死去、享年64歳。」 Little Featのオリジナルメンバーであり、ニューオーリンズのファンキーなセカンドラインリズムを担ったバンドの屋台骨。Lowell George亡き後もずっとバンドを支えてきたものの、昨年からは闘病のため一線を退いていたようだ。合掌。

 今回は追悼の意をこめて昨年リリースされたLittle Featの往年のライブDVDを取り上げたい。私は彼らの映像をブートレッグで1本だけ持っていたが、オフィシャルのものを見るのはこれが初めてである。1977年のドイツの音楽番組Rockpalastで放映されたライブであるが、これは絶版になっていた2000年のDVDに6曲のリハーサルシーンを追加した復刻デラックス版である。

 まずはRichieのドラムに目と耳をやる。冒頭から力強いドラミングを聴かせ、M2のかの名曲ではLowellのカウベルと一緒になって例の独特なリズムを刻む。コーラスではLowellよりも大きな声でサビを叫んでいる。M4のインストのフュージョン曲でも器用な巧さを存分に見せてくれる。彼のバンドにおける存在感の大きさが分かる。

 しかしここで今一つ気になったのはLowellの露出の低さである。冒頭のM1はギターPaul Barrereのボーカルで始まり、続くM2でようやく真打Lowellがスライドギターを操りながらボーカルを取ったと思ったら、M3ではキーボードBill Payneがボーカルを取る。さらにM4では各メンバーの熱いインタープレイが光る一方で、Lowellの姿はどこへやら消えてしまう。

 メンバー一人一人の演奏技術の高さやボーカルを取れることがこのバンドの強みでもあるが、前半はどうもLowell一人だけがここでは浮いてしまっている印象が強い。メンバーの技術力の高さがこうした幅広い音楽に対する雑食性を強めていったのだろうが、私が個人的にこのバンドに求めるのは南部的な土臭さであり、やはりそれはLowellの持っていたものなのである。トレードマークである白いオーバーオールを着てステージに立つLowellの体格は初期に比べずいぶん横に大きくなってしまっているが、その存在感は体格に反比例して小さく見える。恐らくドラッグの影響もあるのだろう。代わりに一番目立っているのはPaulであり、MCまで全て取る彼はLowellに代わり後期のバンドを乗っ取ってしまったかのようである。それが淋しく感じられた。

 M7で見られるPaulとLowellのギターの掛け合いでは、思わず「負けるなLowell」と応援したくなってしまった。後半Lowellの本調子が戻ってきた場面が特に見どころであり、M8で渾然一体となった演奏は圧巻である。アンコールのM9で楽器を置いたメンバー全員がLowellのもとに集まりアカペラを決める場面も素晴らしいし、静かな名曲M10での歌唱も胸を熱くさせてくれた。

 79年にLowellが心臓発作により他界した後も、バンドはずっとこれまで活動を続けてきたわけだが、今回Richieも他界してしまった。個人的にはやはりLowellもRichieもいないLittle Featは、Little Featではもうないと思うのだが、どうだろうか。

★★★★