ライブ・アット・ケンウッド・ハウス・イン・ロンドン [DVD]ライブ・アット・ケンウッド・ハウス・イン・ロンドン [DVD]
ジプシー・キングス

トランスフォーマー 2007-07-06
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01. Rítmico
02. Rumba Tech
03. Lleve Me El Compas
04. Tristessa
05. Amigo
06. Petite Noya
07. Como Siento Yo
08. Sabroso
09. Como Ayer
10. A Mi Mora
11. Djobi Djoba
12. Boleria
13. Fandangos
14. Legende
15. Quiero Saber
16. Tampa
17. Poquito a Poco
18. Baila Me
19. Todos Todos
20. Bamboleo
21. Volare

 先日サッカーワールドカップにおいて、スペインが見事オランダを延長戦の末下し、初優勝を果たした。選手たちも素晴らしかったと思うが、それ以上に素晴らしかったのは、これまでの予想的中率100%だったドイツの水族館のタコのパウル君かもしれない。ここまで結果を出したなら、きっと焼きダコにされることもないだろう。

 さて普段大してサッカーに興味のない私は、日本戦が終わった後はあまり関心はなかったのだが、スペインが優勝したというのは、個人的にオランダやドイツよりも嬉しかった。なぜならスペインと言えば、フラメンコ。生のフラメンコを見にスペインの片田舎へ旅をするのが私の夢だからだ。ということで今日はワールドカップにちなんで、スペイン音楽をご紹介したい。

 で、Gipsy Kingsである。日本でも「ボーラーレ!オーオー!」というビールのCMで有名なあのグループである。爽やかなギターと歌メロが、夏にピッタリだ。流浪の民ジプシーの子孫として南フランスから80年代に登場し、伝統的なフラメンコに現代的なアレンジを加えて大衆化し、世界中にワールドミュージックの旋風を巻き起こしたという功績を持つ。私はこれまで彼らのことをフラメンコと理解していたが、実は違うのだということを最近知った。フラメンコとはギターとカンテ(歌)とパルマ(手拍子)のみで構成されるシンプルなものでなければならなく、Gipsy Kingsのようにベースやドラム、パーカッションやキーボードなどのアレンジが加わっているものは、ジプシー・ルンバというジャンルに分類されるのだという。要するに純粋なものしかフラメンコとは認めないということなのだろう。なかなか難しい。

 で、今回は2007年に出た彼らのライブDVD。客席との間に池を挟んでいる変わったステージのLondonのケンウッド・ハウスで演奏している。彼らもさすがに年を取った。髪にも白いものが混じり、体格も皆立派になっている。しかし演奏は流石に熟練の味わいだ。熱くフラメンコギターをかき鳴らし若い女性たちを躍らせ、代表曲M11では観客全員が立ち上がって踊っていた。

 これは先のアルバム「Roots」に伴うツアーだが、最初からリズム隊やキーボードもいるフルメンバーのバンド編成のため、シンプルだったアルバムの方向性とは大きくアレンジを変えている。これはこれで良いのだが、やはりアルバム通りのギター・カンテ・パルマのみのアレンジも聴いてみたい。と思いきや、小休止の後にギター2人とカホンとベースのみの少人数でしっとりと演奏を始めた。このパートはデビュー当時からずっと続いていたようだ。ここでの調べの美しさは聴きほれさせてくれ、特にToninoの美しいソロの調べはやはり絶品だった。

 クライマックスはインストの名曲M16と、代表曲M20、そしてアンコールでの名曲M21。興奮に湧き上がる観衆の中に自分がいないことが悔しくさえ感じられる。彼らは2000年と2001年にこっそり来日していたが、ちっとも情報が入って来ず、気づいた時には既に時遅しであった。死ぬまでに一度生で見たいので、もう一度来日を切に願うばかりである。

★★★★☆