トルバドール・リユニオン(DVD付)トルバドール・リユニオン(DVD付)
キャロル・キング&ジェイムス・テイラー

ユニバーサルクラシック 2010-05-19
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1. Blossom
2. So Far Away
3. Machine Gun Kelly
4. Carolina in My Mind
5. It's Too Late
6. Smackwater Jack
7. Something in the Way She Moves
8. Will You Love Me Tomorrow?
9. Country Road
10. Fire and Rain
11. Sweet Baby James
12. I Feel the Earth Move
13. You've Got a Friend
14. Up on the Roof
15. You Can Close Your Eyes

 以前勤務していた学校で担任をしていた専攻科生が先日修了式を迎えるということで、久しぶりに顔を出し列席をしてきた。彼女は私が持っていた軽音部でもギターを担当してくれており、歌声も綺麗でセンスのある生徒だった。若い割にEric ClaptonやThe Beatles、Carpentersなど古めなころが好きだったため、私も気を良くしてよくCDを貸したりしたものだった。その彼女に最後の贈り物として何かCDを渡そうと考えたのだがなかなか決まらず、迷った末にCarole Kingの「Tapestry」を贈った。1971年にリリースされ、新たなソロデビューとしてだけでなく、シンガーソングライターブームの火付け役としても金字塔となった名盤である。あの作品が今後の彼女の人生の癒しと励みになってくれればと、押しつけがましく思っている。

 そのCarole Kingだが、4月にJames Taylorと来日していた。これも残念ながら見に行くことができなかったのだが、行った人は皆口々に素晴らしかったと絶賛していた。そして今回タイミング良くその2人が2007年11月にLAのTroubadourで行ったライブがリリースされた。
アメリカを代表するシンガーソングライターであり、当時から仲の良いコンビである2人が、交互にお互いの名曲の数々をエピソードを交えながら、次々と披露してくれているのだが、やはり素晴らしいの一言。

 まずCarole King、今年68歳なはずだが、全くその歳を感じさせない。外見も若々しく、歌声も衰えていない。終始見せる笑顔がその素朴な人間性を表しているようで暖かい。また私はこれまで彼女のライブを見たことがなく、その音楽性からもっと大人しい人なのかと思っていたが、実際の彼女は立ち上がって客を煽るなど、かなり力強い女性だった。それでもこのTroubadourは小さなクラブなため比較的控え目だったようで、もっと大きなホールだとさらにパワフルなようだ。

 一方62歳のJames Taylor。かつての色男も、帽子をかぶっているジャケットだけでは分からないが、失礼ながらその頭は見事なほどにハゲあがっており、やはり歳を感じずにはいられない。しかし優しくアコギを奏でながら非常に穏やかに歌う様子は変わっていない。また曲間のMCでユーモアたっぷりにトークをしてくれ会場を暖かい笑いで包んでくれてもいる。この2人が微笑み合いながら、歌声を重ね合い、極上のハーモニーを紡ぎ出している。それは見る者、聴く者を、思わず幸せな気分にしてくれる

 バックの演奏陣も素晴らしい。Danny Kortchmar、Leland Sklar、Russell KunkelというJamesのバックバンドであり、当時西海岸で名をはせたセッショングループThe Sectionの面々が、味のあるギターと熟練のリズムを聴かせてくれている。どうせDannyがいるならThe Cityの曲なんかも聴きたかったところだが、まぁそれは言うまい。せめて日本公演で演奏してくれたくらいのフルのセットリストで見たかった気はする。

 こんなハートウォーミングなショーを見て、私もこのように素敵な歳の取り方をしたいと思った次第だった。

★★★★