Matthew Sweet & Susanna Hoffs
2010.4.3 @ Billboard Live Tokyo

 今日Matthew Sweet & Susanna Hoffsのライブに行ってきた。彼らはこれまで60~70年代の有名曲のカバーアルバムを2枚出しているが、2人の綺麗なコーラスワークが彩る名曲の数々を楽しみにしていた。何よりも20年来のSusannaファンの私としては、生Susannaを拝むことが夢だった。

 会場のBillboard Liveは初めて行ったが、数百人程度の割とこじんまりしたライブハウスで、ディナーショーのように観客はそれぞれテーブルを囲んで座る形式。落ち着いて見られる代わりにやや盛り上がりに欠けるのではと危惧された。私は中央の前から3つ目のテーブルに腰掛けた。ステージからはほんの10mくらいの近距離だ。時間前に皆高めのディナーを食べており、私も黒ビールとパスタを注文した。

 予定より5分過ぎに暗転しメンバーが登場した。今回はアコースティックのセットだった。アルバムでは原曲を忠実に再現していただけに、それが見られないのは正直残念ではあった。ステージの中央にはSusannaとギターを持ったMatthewが座り、左右にPaul ChastainとDennis Taylorという2人のギタリストが挟んで座った。そしてThe Marmaladeの“I See The Rain”でスタートした。演奏が始まると3本のギターの響きと歌声のハーモニーに引き込まれた。もうアコースティックだから物足りないなどという考えは吹き飛んでいた。

 終わるとMatthewが言った。「彼らはブリティッシュバンドだよね。ここではブリテンのことを何て呼ぶんだい?」と尋ねると、観客の一人が「イギリスー」と答えたのだが、よく分からなかったようで(笑)、「え?まぁいいや。次も素晴らしいブリティッシュバンドだよ」とYesの“I’ve Seen All Good People”が始まった。

 「先日Alex Chiltonが亡くなったのにはビックリしたね。今日は彼の曲を演ろう」と言って始まったのは、Banglesも2ndアルバムでカバーしている“September Gurls”だった。この曲ではSusannaもギターを弾いていた。他にも“Everybody Knows This Is Nowhere”や“Cinnamon Girl”など、所々でSusannaはギターを手にしていた。しかし “Cinnamon Girl”では、途中で突如演奏が止まった。「アレ?2番だっけ?歌詞間違えちゃった。」「どこから演り直そうか?」何とものんびりしたアットホームな雰囲気だった。

 Susannaは黒のノースリーブにジーンズ。59年生まれなのでもう50歳を越えるはずで、顔こそは確かにシワが見てとれたが、華奢で小柄な体型と昔ながらの甘い歌声は、実年齢よりもかなり若く見えていた。一方Matthewは肥えきったメタボな体型が対照的であり、正に美女と野獣の様相を呈していたが、歌声はさすがにいい声をしていた。Paulは40台くらいだろうか、Velvet Crushというバンドのメンバーらしかったが、リズムギターを刻みながら、綺麗なコーラスを付けていた。またDennisはリードギターで、巨体ながらも繊細で美しいソロを披露してくれていた。あと、時にパーカッションをシャカシャカ鳴らしに出てくる人も1人いた。

 「次はLinda Ronstadtをフィーチャーしていた曲だけど、何てバンドだっけ?」とMatthewが尋ね、「Stone Poneysよ。」とSusannaが答えた。「そうだった。Stoned Pony(イっちゃったポニー)だったら面白いよね」というジョークにSusannaがかなりウケていた。

 「僕はたまに陶芸をやるんだけどね、小さな陶器を作ってるんだ。ゴーストの映画でやっていたようなやつさ」と話し始めたMatthew。最前列の女性がテーブルの上に持っていたものを見つけると、「そう、それ!」。するとSusannaがそれを受け取って見せながら、「みんなも買えるわよ、これ」とMatthewのために宣伝していた。後で入口の売店で売っているのを見たが、小さい割に3000円位と結構高かった。

 The Beatlesで本編終了し、アンコールで帰ってきた4人。自分の?子供の話をしていたMatthewに、Susannaが日本語で「カワイイ」と言うと、客席から「Susieカワイイ!」 との叫び声、それに照れていた。50歳を過ぎてカワイイという形容詞をつけられる女性もこの人くらいだろう。そして始まったのが“In Your Room”、Banglesのラストアルバムの冒頭を飾る曲。そして2ndコーラスの後、そのままメドレーで“Manic Monday”になだれこむ。Banglesの往年の代表曲がこうして聴けるのは何より嬉しい。しかも本家オリジナルである。Susannaの曲を演った後は、今度はMatthewの番で、2曲自身の曲を演っていたが、その間Susannaはコーラスだけであとは終始曲に合わせて体を揺らしていた。

 そしてMatthewとPaulがギターを持ってステージを後にした。ステージに残ったのは、SusannaとDennis。次にSusannaがギターを手にし、「最後の曲よ。」と言って2人でイントロを奏で始めた。「ちょっとギターの音を下げてくれる?」と言った後"Close Your Eyes ~♪"との歌いだしで"Eternal Flame"が始まった。これが一番聴きたかったのだ。観客が物音も立てずに静かに聴き入る中、Susannaの歌声が伸びて聞き慣れたメロディをなぞっていく。名曲はやはりアコースティックでも映える。終了後は大歓声。今日の観客は大人しく、スタンディングオベージョンにはならなかったが、個人的には立ち上がって歓声を送りたいところだった。

 さて今回他に聴きたかった曲は、“Alone Again Or”、“Run To Me”、“Bell Bottom Blues”、“Maggie May”、“Killer Queen”が特に聴きたかったところ。どれもアコースティックセットでは難しかっただろう。帰りの出口の売店でサイン入りのCDを売っているという噂を聞いたため尋ねてみると、預けてくれればサインをもらって郵送してくれるという。喜んでお願いした。いつか機会があれば、もう一度Banglesで来日してくれないだろうか。

1. I See The Rain (The Marmalade)
2. I’ve Seen All Good People (Yes)
3. Everybody Knows This Is Nowhere (Neil Young)
4. Willin' (Little Feat)VOL.2
5. September Gurls (Big Star)
6. Hello It's Me (Todd Rundgren)
7. Different Drum (Stone Poneys)
8. Cinnamon Girl (Neil Young)
9. Back Of A Car (Big Star)
10. Peace Love And Understanding (Nick Lowe)
11. You’re So Vain (Carly Simon)
12. Second Hand News (Fleetwood Mac)
13. Here Comes The Sun (The Beatles)
Encore
14. In Your Room~Manic Monday (Bangles)
15. Byrdgirl (Matthew Sweet)
16. I've Been Waiting (Matthew Sweet)
17. Eternal Flame (Bangles)