昨日ついに念願のSimon & Garfunkelのコンサートに行ってきました。そのレポートをアップします。ちょっと長いので、3回に分けてアップしたいと思います。

---------------------------------------------------------

Simon & Garfunkel Live Report
2009.7.11 @ 東京ドーム

 私が小学生の頃、家では親がよくSimon & Garfunkel(以下S&G)のレコードやテープをかけていた。S&Gは自分にとってはThe Beatlesとともに洋楽の入口であり、皆が知っていて当然のアーチストだと思っていた。聞きやすく普遍的な魅力を持った楽曲は、実は極上のハーモニーや社会性の強い歌詞という要素を持った楽曲であったと同時に、60年代にフォークがフォークロックへ、そしてさらにその先へと拡散していく時代性を反映した楽曲であったという事実も、後で知ることになった。

 そうしたS&Gは気づいた頃には既に過去の伝説であり、もうリアルタイムな存在ではなかった。2003年には「Old Friend ツアー」をしていたが、その際にも日本には来ていない。それが突如の再結成と、デュオとしては16年ぶりの来日を果たすという。彼らは今や齢67歳、もう老人と言って差し支えない年齢である。果たしてかつての輝きがあるのだろうか。しかしまたこの先があるとは思えない。Paul McCartneyや、Brian Wilson、Queenなども見逃して悔しい経験をしたのだ。そんな思いでチケットを速効で予約した。

 当日も仕事だったが、早めに切り上げて東京ドームへ向かう。開演時間が5時という通常よりもかなり早い時間のため、焦って会場に向かった。一緒にチケットを取った嫁さんと会場で待ち合わせて、座席を探す。¥13,000のS席は、アリーナ席のC19、ステージから向かって右側の3塁あたり。しかも眼鏡を忘れてきたことを思い出す。スクリーンが頼みの綱となった。

 今回の観客の年齢層は高い。以前見に行ったBilly JoelやThe Policeのコンサートよりも、さらに一つ上の世代。髪に白いものがまじった団塊の世代くらいの方々がほとんどで、皆さん青春時代の60年代をリアルタイムで聴いていた世代の様子だ。ただ20~30代の若い人たちもいる。きっと私と同じように、親の影響を受けた二世世代なのだろう。

 SEが鳴りやみ大歓声の中2人だけで登場し、静かに"Old Friend"を演奏し始めた。右側に立ち茶色のアコギを持ったPaulは緑のTシャツに帽子をかぶりカジュアルに、左側に立った頭一つ背が高いArtは白いYシャツに黒いベストと80年のCentral Parkの時と同じような衣装だった。終わると続いて鋭いエレキギターの音が切り込んできて、"A Hazy Shades Of Winter"になだれこむ。いつの間にかステージにはバンドメンバーが並んでいる。どうやらセットリストは「Old Friendsツアー」と同じようだ。

 「私たちが出会ったのは11歳の時だった。」とArtが話し始めた。「ジュウイッサーイ」と日本語で笑いを誘う。「そして最初の曲を書いたのが15歳だった。ジュウゴサーイ」と続け、二人の歴史の始まりである"Hey, School Girl"を演奏した。「歌詞のヒントになったのはThe Everly Brothersだった」というMCに続いて、"Be Bop A Lula"。R&RなS&Gのルーツを垣間見せてくれた。