P.H.U.Q
ワイルドハーツ
イーストウエスト・ジャパン
1995-06-10


1. I Wanna Go Where The People Go
2. V-Day
3. Just In Lust
4. Baby Strange
5. Nita Nitro
6. Jonesing For Jones
7. Woah Shit, You Got Through
8. Cold Patootie Tango
9. Caprice
10. Be My Drug
11. Naievety Play
12. In Lilly's Garden
13. Getting In
14. If Life Is Like A Love Bank I Want An Overdraft (Japan only)
15. Do The Channel Bop (Japan only)

昨年11月にThe Wildheartsがまた来日していました。私は以前The Wildheartsは本当に好きで、2003年にも一度だけだがライブ参戦したことがありますが、それ以降しばらく離れていました。今回は名盤「PHUQ」の再現ライブだったということで気になっていたが、結局行けなかったのが悔やまれました。

彼らのデビューは1992年。Quireboysを脱退したGingerを中心に結成。初めて”Turning American”を聴いた時は衝撃的でした。ヘヴィなギターリフに乗るポップなメロディはThe Beatles meets Metallicaとも言われ、また皮肉一杯の歌詞も強烈でした。ただ93年の1stフルアルバム「Earth Vs The Wildhearts」はRock & Rollとしては最高でしたが、思っていたよりもストレートになってしまった印象でした。

この「PHUQ」はそれに続く2ndになります。シングルカットされた冒頭M1は最高にポップでご機嫌なナンバー。その後も比較的ミドルテンポで気持ち良いギターリフとキャッチーな歌メロの楽曲が並びます。

しかしこのアルバムの真骨頂はM7以降のいわゆるB面。やけくそ気味に突進するM7から、破壊的なM8、不穏なM9という3曲が組曲になった後に、心洗われるようなM10のイントロが流れます。その後もとてつもないヘヴィさと、極上のメロディが、皮肉とユーモアをもって分裂症的に展開。このRock & Roll、ポップ、パンク、ハードコア、あらゆるものを消化して吐き出すカルタシスは、なかなか他では味わえないでしょう。

当時のGingerは創作意欲に溢れていて、このアルバムも本当は2枚組にしたかったらしいが、レコード会社の反対で実現できず。漏れた楽曲はシングルB面や後の「Fishing For Luckies」等に収録されていますが、聴けばそのレベルの高さが分かります。

その後Devin Townsendに刺激されたGingerは続く97年の3rd「Endless, Nameless」でインダストリアルハードコアばりのノイズにまみれた作品を発表し酷評されることになりますが、あの破壊力が私にとっては快感だったものでした。

昔非公式ファンサイトを始め多くのサイト管理人さん達と一緒にThe Wildheartsをヘッドライナーに据えたRock & Rollフェスティバル開催のための署名活動なんてことをしたこともありました。数々のレコード会社やドラッグのトラブル、メンバー交代、解散と再結成もありながら、日本のファンは根強く支援し続けました。それもGingerの人間性と彼の書く音楽の賜物でしょう。