matinee

先日毎日新聞の連載小説「マチネの終わりに」が完結しました。昨年3月に連載開始して以来、毎朝通勤電車の中で読むのを楽しみにしていました。この小説は恋愛小説で、私は普段恋愛小説には全く興味がないのですが、読み始めた理由はこの主人公がクラシックギタリストだったからでした。

私もクラシック好きだった親父からお下がりでもらったクラシックギターを1本持っています。もっとも早々に弦はスチールに張り替えてアコギとして使ってきたので、クラシック曲は何も弾けませんが。クラシックギタリストの世界がどういうものか全く知らなかったので興味を持ちました。

主人公の蒔野は私と同世代の40前後。10代のデビュー時から天才として注目され20年のキャリアを重ねてきたが、ここへ来て深刻なスランプに陥る。同時に所属レコード会社も吸収合併されたり担当も変わったりと、色々な流れに翻弄されます。今までロックギタリストの話は多く見聞きしてきたが、クラシックギタリストというのは常に1人でステージに上がり演奏にミスも許されない大きなプレッシャーを受け続けるということも読んで納得しました。

彼が心を寄せるのが洋子。著名映画監督である東ヨーロッパ人の父と日本人母のハーフで、本人はパリ在住の新聞記者。イラク戦争後のバグダッド派遣時にテロに遭いPTSDに悩みます。この洋子も一般的な恋愛小説にはなかなかないような人物設定ですが、これにより色々な世界情勢が絡んできて読み応えがあり、恋愛の行方も途中から予想外の展開で楽しませてもらいました。

これ単行本化されないんですかね。文中に出てきたブローウェルなどの数々のクラシックギターの楽曲も改めてちゃんと聴いてみたいと思いました。