クリムゾン・キングの宮殿―風に語りて
シド・スミス
ストレンジ・デイズ
2007-07-27


第1章 どこでもないどこかへ
第2章 世界征服
第3章 勝利の始まりの終わり
第4章 スローリー・アップ、スローリー・ダウン
第5章 インサイド・ザ・サーカス
第6章 沈黙を破って
第7章 マジカル・アクト
第8章 フライング・ハイ
第9章 レッド・ゾーン
第10章 再始動
第11章 再び解体へ
第12章 後ろ向きで進む未来
第13章 未来に見えるもの

来日公演も間近に迫るKing Crimson。1969年のデビュー以来、断続的ながらも長いその歴史の中で、常にメンバーを変えながら音楽を進化させてきたため、奥が深くとっつき辛い印象もある。私も結構好きでアルバムも色々聴いてきたが抜けは多いため、予習にと以前出版されていた本書を改めて読んでみた。当時買って途中まで読んだまま放置してしまっていた。押入れにはそんな本が結構多い。。

Crimsonの歴史には多くの名ミュージシャンが携わっている。発表されてきたアルバムはほぼ毎回違うメンバーで制作されており、つまり毎回誰かが入って誰かが脱退しているわけだ。デビュー当時こそ誰がリーダーというわけではなかったようだが、以降はRobert Frippが絶対君主である。過去のメンバー達は皆彼に対して一定の評価をする一方で否定的なコメントもしているが、それに対するRobertの意図や捉え方というのは全く異なっているのが面白い。Robertは一緒に仕事をするには難しい相手なのだろうとは思うが、それでも彼が牽引し続けたからこそ今のCrimsonがあるのだと思う。

90年代にはオリジナルメンバーで再結成する可能性があったという。結局この話は流れているが、あまりRobert自身同窓会的なものに興味がないようだ。加えてどうにもRobertとGreg Lakeとの不仲も原因のようで、RobertはGregの代わりにJohn Wettonを入れる計画まで立てていたらしい。オリジナル再結成は夢のような話だが、今後も期待できないだろう。

文中でGordon Haskellが当時加入を躊躇っていた理由として「Kings Crimsonの音楽は冷た過ぎて自分には合わないと思った」と言っていた。実際彼らの曲の中には”Cadence And Cascade”のような穏やかな曲や、”Cat Food”のようなコミカル曲もあるものの、このコメントも分からないでもない。ただ単に冷たいとか温かいというものではなく、もっと壮大で革新的な音楽だと思う。だからこそいつまでも根強いファンがいるのだと思う。

私はCrimsonはもっと世界的に成功したバンドだと思っていたが、それほどでもないようで、レコーディング前に資金を調達するためにコンサートを打ったりもしていたらしい。そんな中で日本というマーケットは彼らにとっても大きいようで、今回のジャパンツアーも長い日程が組まれている。恐らく今回が最後の来日だと思うので愉しみたい。