kiyoshiro

先週の尾崎豊に続いて、もう1人今は亡き日本のカリスマを取り上げたい。忌野清志郎。5月2日は彼の命日だったので、色々特番が組まれていた。

その中で代表曲”トランジスタラジオ”をモチーフにしたドラマがあった。内容はよくある学園ドラマだったが、授業をサボって屋上でギターを弾くというのは私にも覚えがある。それと舞台になっていた清志郎の母校である都立H高校は私の地元なのでよく知っていた。川沿いの高校なので、あの屋上から川を見降ろしながら弾いていたのかと思うと、勝手ながら親近感を感じていたものだ。

清志郎はRCサクセションとして1970年にデビューした。3人組のフォークグループだが、Otis Reddingなどの影響を受けたR&Bを歌うという独特なスタイルだった。しかし同じ事務所の井上陽水が売れた一方で、彼らはなかなか陽の目を見られず。”スローバラード”など名曲を収録した3rd「シングルマン」を1976年に発表するも鳴かず飛ばずだったため失意のうちに活動を休止する。その後1978年に仲井戸麗一らを迎え新たに5人編成のロックバンドとして再始動。エネルギッシュなライブが注目を集め、1980年の「Rhapsody」以降は爆発的な人気を集めていった。

私が初めて清志郎を知ったのはRCではなく覆面バンドのザ・タイマーズだった。1989年当時テレビに出てきた工事現場ヘルメットにグラサンをかけた変な男が、音楽業界や原発、FM東京や相棒だったチャボなど、あらゆるものに対して悪態をつきまくっていたのを見て、何なんだこの男は?と強烈なインパクトを受けたのをよく覚えている。

以来数多くの彼の名曲を聴いてきた上で思ったのは、この人はもの凄く純粋で感性の強く、自分に正直な人なんだな、ということだった。だから普通の人は書かないような言葉が歌詞に連ねられていて、その言葉が圧倒的な歌唱力とエンターテイメント精神で表現されることで聴く人・見る人の心に突き刺さる。彼は才能と努力と信念で、あの屋上から日本ロックの頂点へ登りつめたのだなと思う。

以下は私の好きな彼の曲ベスト10です。

① 雨上がりの夜空
② ヒッピーに捧ぐ
③ ロックン仁義
④ スローバラード
⑤ トランジスタラジオ
⑥ いい事ばかりありゃしない
⑦ I Like You
⑧ デイドリームビリーバー
⑨ よォーこそ
⑩ パパの歌