十七歳の地図
尾崎豊
ソニー・ミュージックレコーズ
1991-05-15


1. 街の風景 
2. はじまりさえ歌えない 
3. I LOVE YOU 
4. ハイスクールRock’n’ Roll 
5. 15の夜 
6. 十七歳の地図 
7. 愛の消えた街 
8. OH MY LITTLE GIRL 
9. 傷つけた人々へ 
10. 僕が僕であるために

先日BSフジの「ザ・ミリオンセラー」で尾崎豊のデビューアルバム「17歳の地図」を特集していた。担当プロデューサーやスタジオミュージシャン、そして長男の尾崎裕哉が登場し当時を回想していた。この作品は個人的に非常に思い出深いものなので興味深く観ていた。

私が高校生の頃はまだ尾崎豊は生きていた。当時あまり真面目な生徒ではなかった私は、毎朝M5を聴いては、盗んだものではないが自分のバイクで学校をサボってどこかへ行ってしまっていたものだった。

番組の中では彼の当時の肉声インタビューが聞けた。彼は不登校になった小学校6年の頃からアコギを弾き始め、音楽の中に自分の存在意義を初めて見つけたらしい。以来曲を書き続け、弾き語りで録音したデモテープを持って、17歳の時にソニーのオーディション通過の末レコーディングに臨んだという。

このアルバムにはバラエティに富んだ楽曲と煌めくメロディの数々が80年代らしい煌びやかな音作りの中で輝いている。そしてベストアルバム並みに名曲の数々が収録されている。10代特有の閉塞感を前例ない位にブチまけたM5やM6、切々と歌い上げるバラードの名曲M3とM8。こうした代表曲以外にも、M1やM9も胸に染みる傑作だし、最も好きなM10は私にとってずっと応援歌だった。

このアルバムのキーワードは”街”である。自由を求めて飛び込んだ街の中で厳しい現実に傷付く一方で、出会った恋人との恋愛を通しても成長し、最終的にこの街の中で自分らしく生きていくのだと決意する。そうした起承転結が自分の街を舞台に展開され、聴く者の人生と重ね合わされていく。これを作ったのが17歳というのが未だに信じ難い。

このアルバムは今日まで300万枚売れたという。当時若者の代弁者としてカリスマ的人気を集めながらも、1992年に26歳の若さで急死したが、その後も高い人気がある。以前私は通信制高校の教員をしていたが、軽音部の顧問としてよく不登校だったヤンチャ系の生徒達の相手をしていた。彼らが文化祭ステージでM3を演奏した時は驚いたが、時代を越えても彼の曲は若者に訴える力を持っていたのだろう。

★★★★☆