Atomic Playboys
Steve Stevens
Rock Candy
2013-07-23


1. Atomic Playboys
2. Power Of Suggestion
3. Action
4. Desperate Heart
5. Soul On Ice
6. Crackdown 
7. Pet The Hot Kitty 
8. Evening Eye 
9. Woman Of 1000 Years 
10. Run Across Desert Sands 
11. Slipping Into Fiction 
12. Warm Female

先日取り上げた中で、Steve Stevensのことももう少し書いておきたいと思う。彼は80年代はBilly Idolの右腕として活動していたが、その他にも色々なセッションに参加しており、1986年には映画「トップガン」のテーマソングでグラミー賞も取っている。

ただ私が初めて彼のことを知ったのは、この1989年の初ソロバンドAtomic Playboysだった。中学生の当時彼女の親父さんが何か音楽関係の仕事をしており、いらなくなったCDをくれるというので、有難く貰った何枚かの中の1枚がこれだった。金のない中学生にとってCDは貴重なので、全く知らないアーティストだったが繰り返し聴いていた。確かあの時DADの1stなんかも貰った気がする。

ジャケットは映画「エイリアン」やCeltic Frostで有名なあのH.R.ギーガー作。で、このアルバム、まず1曲目がカッコいい。SEの後に、どうやって弾いているかよく分からないが強烈なSteveのギターが斬り込んできて、サビもこぶしの効いたハードロックの佳曲。M3もSweetの良カヴァー。曲によってはホーンセクションや女性コーラスが入っていたり、ジャジーだったりと、ハードロックに留まらない音楽性を見せている。

そして一番好きだったのがインストのM10。哀愁溢れるフラメンコギターの調べが静かに流れはじめ、途中からテンポアップするのだが、単なるハードロックギタリストではない超絶技巧をみせつけている。後年彼は好きが乗じてフラメンコアルバムまで作っていた。

結局Atomic Playboysは1枚のみで解散。その後彼はMichael MonroeとJerusalem Slimを結成するのだが、アルバムをリリースを待たずして、今度はMotley Crueを脱退したVince Neilのソロに合流してしまう。MichaelがVinceにキャリアの邪魔をされるのはこれが2度目であり、またこれによりSteveもCozy Powellなどと同様の渡り鳥の称号を与えられたのだった。

後年は日本の氷室京介や復帰したBilly Idolと組んだりもしたが、最近聴いて個人的に気に入ったのが、Bozzio Levin Stevens。これは超絶ドラマーTerry BozzioとKing CrimsonのTony Levinと組んだトリオで、なかなか面白いインストのプログレアルバムを発表していた。これも今度機会があれば取り上げてみたい。

★★★☆