Welcome to Hell
Venom
Edge J26181
2011-03-11


1. Sons Of Satan
2. Welcome To Hell
3. Schizoid
4. Mayhem With Mercy
5. Poison
6. Live Like An Angel
7. Witching Hour
8. One Thousand Days Of Sodom
9. Angel Dust
10. In League With Satan
11. Red Light Fever

先週のProbotの冒頭を飾っていたVenomのCronos。Dave Grohlは彼のことを「何かが乗り移ったようなボーカリスト」と評していた。今週はそのVenomを取り上げたい。

VenomはNWOBHMのムーブメントの中から飛び出してきた暗黒の帝王。アグレッシブなヘヴィリフと吐き捨てボーカルで猛突進していく様子は強烈なインパクトだ。ハードコア的な要素もあるがギターソロなどはHMだし、時折感じるR&RぽさはMotorheadを極端にデフォルメした印象も受ける。また緩急織り交ぜていたりアコギや女性の声が入っていたりと、実は意外によく練られてもいる。後のスラッシュメタル勢やハードコア勢などに多大な影響を与えたのも納得。

しかし彼らが異端なのはその徹底した悪魔主義にある。歌詞の内容やアートワーク、衣装やステージングなど思わず笑ってしまうほどだ。実際ここにはある種エンターテイメント的なものがあった訳だが、それは当時は演る側も観る側も分かって楽しんでいた。

しかしこれを間に受けてしまったのが90年代以降のブラックメタル勢だった。彼らはそれを実践すべく放火や殺人にまで手を染めた。はっきり言って私は殺人者の作る音楽など聞きたくないし、金も払いたくない。しかし悲しいことに世の中にはこれをもてはやす人が少なくなかった。そのため元祖であるVenomも「我々は音楽を通じて犯罪を奨励したことはない」という会見表明をせざる得なかった訳だ。

DaveはCronosのことをこうも言っていた。「俺はこの男が生肉を喰らっているのを見たことがある。」 むしろある意味こういう扱いが正しいのだと思う。

★★★★