復讐の蠍団~イン・トランス
スコーピオンズ
SMJ
2013-10-09


A1. Dark Lady
A2. In Trance
A3. Life's Like A River
A4. Top Of The Bill
A5. Living And Dying
B1. Robot Man
B2. Evening Wind
B3. Sun In My Hand
B4. Longing For Fire
B5. Night Lights

Uli Jon Rothが来日する。70年代Scorpionsのキーマンである彼が、加入40周年を記念して、当時のScorpionsの楽曲の数々をプレイしてくれるのだという。正直彼のソロはほとんど聴いてなかったが、これには思わず食いついてしまった。

70年代のScorpionsは日本で絶大な人気を誇っていた。78年の中野サンプラザ公演を収めた「Tokyo Tapes」がそれを証明している。80年代以降彼らはアメリカを始め世界的に大成功を収めて行った一方で、日本での人気は低迷していったのは残念だった。と言いつつ私も70年代しかほとんど聴いていないのだが。

この頃のアルバムはどれも名盤だが、1枚挙げるなら私は3rd「In Trance」だ。Uliが加入したのは前作だが、アルバム制作に本格的に関わったのは本作からである。何しろオープニングとラスト、そしてB面曲のほとんどが彼の作曲だ。

まず冒頭A1で勢いよくUliの鋭いギターとKlaus Meineのハイトーンボーカルが日本刀のように斬り込んでくる。A2とA3は静と動のコントラストが見事な名曲で、Klausの名唱とUliの泣きのギターが聴き物。A3の”人生は川の如し”の邦題も完全に演歌。そしてA4は最もハードで破壊力のある名曲で、私がライブで最も聴きたい曲である。このA2~A4の流れはKlausとRudolf Schenkerの作曲コンビの真骨頂。B面もハードな代表曲B6で始まりもの悲しいB5で終わるまで全曲良い。

アルバム全体的にとにかくハードとメランコリックの振幅が広いのだが、その両面で聴かせてくれるKlausのボーカルとUliのギターの表現力が素晴らしい。また随所で聴かれるRudolfとのツインリードも美しい。全編に渡り変な甘さが一切なく、徹底して叙情的なマイナートーンで包んでいるあたりが、聴く者の心に突き刺さると同時に、アメリカ人には決して真似できないところだと思う。

また70年代Scorpionsは発禁ジャケットでも有名だ。ただ日本では今作含めほとんど復刻されているが、流石に「Virgin Killer」だけは差し替えられている。少女のオリジナルジャケットはプレミアが付いており中古市場では約3500~4000円で流通しているが、たまにBook Offでは安値が付けられているので狙い目だ。

この当時の名曲が生で聴けると思うと楽しみだ。

★★★★★