1. Prelude/Angry Young Man
2. Allentown
3. Goodnight Saigon
4. Big Man On Mulberry Street
5. Baby Grand
6. An Innocent Man 
7. Honesty 
8. The Longest Time 
9. A Matter Of Trust
10. Only The Good Die Young
11. It's Still Rock And Roll To Me 
12. Sometimes A Fantasy 
13. You May Be Right 
14. Uptown Girl
15. Big Shot
16. Back In The U.S.S.R.
17. Pressure

先日のMoscow Music Peace Festivalは1989年だったが、これに先駆けて1987年に単独公演として初めてソ連に渡ったのがBilly Joelである。

この公演の音源は当時「KOHUEPT」というタイトルでリリースされており、私も昔からよく聴いていた。今年はその音源が未発表曲含めてフルセットの2枚組CDとなってリイシューされた。またビデオだったライブ映像も初DVD化され、さらには今回「Bridge To Russia」というドキュメンタリー映像まで合わせて収録されている。

このドキュメンタリーを観て今まで知り得なかった事実を多く知ることが出来た。Billyは大任を任され大きなプレッシャーに駆られていたこと。音響の悪い会場のために喉を壊していたこと。最初は微動だにしない観客に動揺したこと。客席に降りて後方から熱狂的な観客をステージ前まで連れてきたことで、会場のボルテージを上げたこと。会場を照らして観客を動揺させた照明係に対して演奏中にブチ切れたこと、等々。

最も印象的だったのはBillyのメッセージを伝えんとする姿勢であった。幼少から敵国だと教え込まれたソ連国民の熱烈な歓迎と、彼らの自由もなく困窮した生活を目の当たりにし、時代が変わる中で自由を謳歌することの素晴らしさを伝えようとした。そしてそれは数々のインタビューや街中での交流、ステージでの通訳、何よりも彼の熱いパフォーマンスを通して確かにソ連国民に伝わったのだった。

この時のソ連ツアーの費用は自腹を切ったとBillyは語っていたが、伝記本によるとその金額は300万ドルとなったらしい。彼がこれだけの熱意を注いだこのイベントは、結果的にBillyのキャリアの頂点となっただけでなく、ソ連の歴史の中でも大きな意義を残したのだった。

昨今ウクライナ問題によってまた冷戦時代に戻りつつある中で、未来に夢を持っていたあの頃が懐かしいものである。