娘は中学に入学したと同時に美術部に入部した。スポーツが苦手な娘が運動部に入るはずもなく、最初から美術部一択だった。面倒臭がりな娘は帰宅部になる可能性もあったが、小学校から仲の良かった友達も一緒だったことが後押しとなった。
部員は1〜3年まで30名ほど。活動は平日の放課後に週3日程度。吹奏楽部に入った親友が週末まで鬼のように練習しているのに比べるとかなり少ない。活動内容も美術室で友達と雑談しながらのんびり絵を描くだけという緩いスタイルが娘の性に合っていたようで、毎週結構楽しそうに参加している。
それまでめっきりデジタル絵ばかりになっていた娘だったが、美術部に入ったことでアナログ絵の楽しさも再発見できたようだ。クロッキーや校外スケッチ、水彩画でのグラデーションの描き方などを学んでは、ドヤ顔で私に教えてくる。夏前には高幡不動尊のあじさいをスケッチしに行ったが、ささっと描いていた割には色合いや形の捉え方が上手いなと感心した。
夏休みにも何日か活動日があり登校していた。2学期の始まりが憂鬱な生徒達を励ますために、学校の全教室に先輩達とみんなで花火の黒板アートを描いて来たという。ちょうど登校初日が引き取り訓練だったので、私も観せてもらったが、これがなかなか見事なものだった。私が先生ならこれは絶対に消せないだろう。
10月には中学で文化祭があった。美術部として一年の中で最大のイベントである。グループ毎にアニメーションの映像作品の制作することになり、週末まで毎日活動し忙しそうだった。もう3年生の先輩達が受験でいない中、動画編集まで出来る娘は他のグループからも引っ張りだこだったらしい。後で見せてもらったが、とても私には作れそうもないものだった。
早いもので来年は2年生。後輩を迎えてどんな先輩になるのだろうか。