1. Hello! Goodmorning
2. 月のファウンテン
3. マイ・ファニー・IVY
4. 土曜日3時ステラ・ホテル
5. カリブヘ行きたい
6. どうやって愛したらいいの?
7. 眠り姫の不幸
8. あなたを愛したい
9. SPLASH
10. さよならにマティーニは禁物
11. マイ・ハート・バラード
懐メロ特集最後は、正真正銘のアイドルものを一つ。これは私が一番最初に買ったアルバムでもある。幼少の頃から家の中では親がThe BeatlesやSimon & Garfunkel、クラシックなんかのレコードをよくかけていて、それらは当時私自身も好きだった。しかし自発的に聴くようになった音楽は、恥ずかしながらこんなアイドルものだった。
当時のアイドルは、浅香唯、中山美穂、工藤静香などいたのだが、その中で私は南野陽子だった。なぜ南野陽子だったのかは今となっては定かではない。ただ小学6年~中学1年の当時の私は、あの笑顔とアゴのエクボにヤラれていたようだ。23歳の誕生日にプロポーズしてくれた人と結婚すると公言していた彼女の言葉に、自分の年齢を計算したりしていた。まさか自分の方が先に結婚するとは思いもしなかったが。
当時はまだCDが出始めていた頃で、まだそれほど普及していなかったはずだ。その証拠に私が買ったのもCDではなくカセットテープだったのだ。我が家にもCDプレーヤーはまだなかったし、父親は依然古いレコードプレーヤーで聴いていた。で、そんなテープなどはとっくの大昔に捨てていたわけだが、先日急に懐かしくなってBook Offで探したらCDで250円で売っていた。
このアルバムは彼女の全盛期のものだと思う。なにしろレコーディングを、海外のニューヨークやバハマで行っている。今聴くと音作りもとてもきらびやかで、ホーンセクションやストリングスなどが散りばめられていたり、ちょっとジャジーな曲もあったりする。そうしたところから、この頃それだけの予算があったことが分かる。
そんな環境作りもあってか、彼女自身もイメージチェンジを行っている。それまではスケバン刑事のような少女のイメージだったのが、このアルバムでは大人の女性のイメージへと変化しているのが分かる。歌詞もM3、M4、M5、M10のように、大人指向・海外指向が強く見て取れる。そしてそんなイメージが私にとっての南野陽子のイメージだった。彼女自身は決して上手い歌手とは言えない。声も細いし、表現力もあるわけではない。しかしその舌足らずで甘い声が、むしろアイドル然としていると言えるし、それが当時は好きだったものだ。懐かしい青春の1枚。
★★★