映画 『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』

paco

2014年に66歳という若さで急逝してしまったフラメンコギターの大御所パコ・デ・ルシアのドキュメンタリー映画が上映されていたので、渋谷のBunkamuraへ観に行ってきました。

本当は8/1の夜に行けば「マチネの終わりに」の作家 平野啓一郎氏とギタリスト鈴木大介さんの対談もあったのですが、仕事が終わらなかったので泣く泣く諦めました。

映画の冒頭は彼の子供時代。若い頃からいかに秀でていたかが分かります。でも、ギタリストであった父からリズムの大切さを教わったのに、父のリズムがズレていることを指摘したら怒られたり、兄ペペ・デ・ルシアと共にホセ・グレコのアメリカツアーへ参加するはずが、年齢が若過ぎたために置いてけぼりにされたり、ちょっと可哀想(笑)

中盤はデビューから成功への過程。巨匠サビーカスから模倣ではなく自分自身のギターを演奏するようアドバイスを受けたことよって開眼し、積極的に他ジャンルとの融合を図りフラメンコに革命を起こします。しかしこの結果サビーカスからそれはフラメンコではないと批判を受けてしまいます。これまたちょっと可哀想(笑)

終盤はマジョルカ島で独り暮らしの晩年。他のミュージシャンを招いてレコーディングをする様子や、彼の冗談好きな面が語られていましたが、やっぱりどうしても孤独で気難しい印象は拭えず(笑)

ただこの映画の監督はパコの実の息子なんですね。こんな誇るべき自身の人生の全てを息子に語り切ったパコの晩年は、やっぱり幸せなものだったはずだと思いました。

このように彼の功績とその裏話の数々を知ることの出来るこの映画ですが、何と言っても彼の素晴らしい音楽と演奏を大スクリーンで堪能出来ることが最大の魅力ではないかと思います。




 

Steve Vai 「Passion And Warfare」 (1990)

PASSION AND WARFARE
スティーヴ・ヴァイ
ソニー・ミュージックレコーズ
1990-05-31


1. Liberty 
2. Erotic Nightmares 
3. The Animal 
4. Answers 
5. The Riddle 
6. Ballerina 
7. For The love Of God 
8. The Audience Is Listening 
9. I Would Love To 
10. Blue Powder 
11. Greasy Kid's Stuff 
12. Alien Water Kiss 
13. Sisters 
14. Love Secrets

先日25周年アニバーサリー版がリリースされていました。ボートラやもう1枚のアルバムもなかなか良かったのですが、やっぱり思い出深いこっちの本編の方について書きたいと思います。

80年代のHR/HMには沢山のギターの達人がいましたが、その中でも彼のプレイは好きでした。AlcatrazzもYngwie Malmsteenのいた1stよりも2ndの方が好きだったし、Whitesnakeも「サーペンスアルバス」と同じ位に「Slip Of The Tongue」が好きでした。批判をされたのも分かりますが、参加する大物バンドのアルバムを自分色に染め上げてしまう位に強烈な個性の持ち主でした。

そんな彼の1990年のセカンドソロアルバム。当時もメタルギターのインストアルバムはほとんど聴かなかったのですが、これだけは例外でした。厳かな①で始まり、軽快な②④、ヘヴィな③、少しブルージーな⑦⑩、可愛らしい⑥、寸劇の楽しい⑧、F1のような王道⑨、摩訶不思議な⑫、穏やかな⑬、ハイパーな⑭と、驚くほど楽曲の幅が広い上に各曲の完成度も非常に高い。これだけ飽きさせないインストアルバムも珍しいでしょう。

彼のギターはテクニカルな早弾きをしつつ、非常にカラフルでメロディアスなのが特徴だと思います。またそれだけではなく、③のようにヘヴィなリフで攻め立てたり、⑦では見事な泣きも披露、⑧の冒頭では人の話し声のようなトリッキーなプレイも聴かせます。また各曲中でも次から次へとまるで万華鏡のように異なる弾き方、フレーズ、音色を繰り出し、ある種極めてプログレッシヴとも言えます。

実は私自身当時ギターを弾き始めたばかりにも関わらず、クラスの友人がこのアルバムのスコアを持っていたため無謀にも試しに借りて弾いてみたのですが、当然ながら全く歯が立たず速攻で挫折した記憶があります。そんな意味でも思い出深いアルバムでした。


ヱビスビール

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最近本当に暑いですね。私にとって暑い夏を乗り切るために必要なものの1つがビールです。

ただ私はキレ派ではなくコク派。いくら夏でも炭酸を強くしただけの何とかドライなんてものは飲みません。で、コク派の私が最も好きな国産ビールがヱビスです。

ということで、以前から気になっていたヱビスビール記念館に行ってみました。場所は都内恵比寿のガーデンプレイス。実はこの恵比寿という地名もヱビスビールが元になっていて、ガーデンプレイスの敷地も全て元はヱビスビールの工場だったそうです。

中に入るとまるで高級ホテルのロビーのよう。ここで500円払ってヱビスツアーに参加します。前半20分は綺麗なお姉さんが様々な展示物をもとにヱビスビールの歴史を説明してくれます。今でこそヱビスはサッポロビールの1つのブランドですが、元々は1887年に設立した別会社でした。また贅沢品として戦時中は消滅、戦後28年振りに復活したそうです。

ツアーの後半20分は試飲会。ビールの正しい注ぎ方とか、レア恵比寿さんの見分け方など、お姉さんに色々楽しいうんちくを教わりながら、飲み比べをさせて貰えます。試飲と言っても500ml位あるので、できればもっと何かツマミを食べながらゆっくり飲みたかったなぁと思いましたが。。

正直普段あまり特定の会社や製品のCMや広告を見聞きするのはあまり好きではないのですが、これだけは別。楽しいひと時でした。

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Richie Havens 「Live at Cellar Door (1970)」

Live at Cellar Door (1972)
Richie Havens
Five Star (Cit570)
1995-09-30


1. Can't Make It Anymore 
2. All Along the Watchtower 
3. Helplessly Hoping 
4. God Bless the Child 
5. The Night They Drove Old Dixie Down 
6. No More, No More 
7. Preparation
8. Here Comes the Sun 
9. Fire and Rain 
10. Superman
11. Dolphins 
12. Nobody Knows the Trouble I've Seen/My Sweet Lord

今年はRichie Havensのデビュー50周年になるのですが、The Beatlesと違ってこちらはどうも話題になることはなさそうなので、ここで取り上げたいと思います。

彼は1966年に黒人フォークシンガーとしてデビューしました。彼が一躍有名になったのは1969年のウッドストックフェスティバル。他のミュージシャンの会場入りが遅れたために、予定外にオープニングとして50万人が待つステージに登壇。まるで僧侶のような出で立ちで、アコースティックギターを掻き鳴らしながら”Freedom”を叫んだその熱演は大歓声を浴び、結果ウッドストックの1つの象徴となりました。

その後自身のレーベルを立ち上げコンスタントに作品を発表する一方で、教育や環境問題にも取り組んでいました。93年にはBob Dylanの30周年コンサートに出演し、素晴らしい演奏で再び脚光を浴びています。

今日取り上げるのは70年に行われたライブレコーディング。大観衆を前にして扇情的に演奏をしたウッドストックとは一転し、ここでは小さな会場でアットホームな雰囲気の中で聴かせます。当時のレパートリーはほとんどが有名曲のカヴァーで、George HarrisonやCrosby Stills Nash & Young、Bob DylanやThe Bandらの楽曲を演奏していますが、かなり独自に解釈されたアコースティックアレンジになっています。

Richie Havensの魅力はまず歌声。決して器用なタイプではないですが、その低い歌声は暖かみがあると同時に、1つ1つの言葉を誠実に訴えかけてきます。もう1つの魅力は彼のアコースティックギタープレイ。ソロはもう1人が担当しているので、彼はもっぱらコードストローク専門なのですが、とにかくカッティングがスゴい。普通には真似出来ないくらいに速くて細かいカッティングを聴かせ、特に静かな曲ではこれが聴く人の心を搔きむしります。スタジオアルバムではエレクトリックにアレンジがされてしまっているのですが、このライブではほぼ完全にアコースティックなので、そうした彼の魅力を最大限に味わうことができます。ユーモアのあるトークにも彼の人柄が感じられます。 

2013年に惜しむべくもひっそりと他界してしまいましたが、この50周年を機に再評価されればいいなと思います。

 

Marvin Gaye & Tammi Terrell 「You’re All I Need」 (1968)

ユアー・オール・アイ・ニード
マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル
ユニバーサル ミュージック
2013-11-20


1. Ain't Nothing Like the Real Thing
2. Keep on Lovin' Me Honey
3. You're All I Need to Get By
4. Baby Don'tcha Worry
5. You Ain't Livin' Till You're Lovin'
6. Give in, You Just Can't Win
7. When Love Comes Knocking at My Heart
8. Come on and See Me
9. I Can't Help But Love You
10. That's How It Is (Since You've Been Gone)
11. I'll Never Stop Loving You Baby
12. Memory Chest

先日アメリカ・テキサスのダラスでデモの最中に警官5人が射殺されるという衝撃的な事件がありました。これは黒人市民が警官に殺されたことに対する報復だったわけですが、アメリカにおける黒人と警官の溝は埋まることがなさそうです。

こうした黒人問題の事件が起きると、どうもいつもブラックミュージックが聴きたくなってしまいます。今週末は久しぶりに棚からMarvin Gayeを出して聴いていました。話の流れ的にはシリアスな71年の「What's Going On」の方が合うのでしょうが、今日は個人的に1番好きなこのアルバムを。

私が初めてベストでMarvinを聴いた時に最も印象に残ったのが“You're All I Need To Get By”でした。Marvinの優しく包容力のある歌声に絶妙に絡む可愛らしくも芯の強いTammi Terrellの歌声。静かに始まり徐々に盛り上がっていく中で高まっていく2人のデュエット、そしてクライマックス。劇的な名曲でした。

Marvinがデュエットをした相手は多くいましたが、1967~69年の3年に渡って3作も共作したのは彼女だけであることに、2人のコンビネーションの良さが表れています。しかし2人でステージに立っている最中にTammiはMarvinの腕に倒れ込み、脳腫瘍を患っていることが判明。そして1970年に彼女は帰らぬ人となりました。享年24歳でした。その後Marvinはショックのあまり対人恐怖症にかかり復帰まで1年掛かっています。

実際Tammiはその歌声の通り本当に可愛らしかった。個人的にも最も魅力的な黒人女性だと思います。Marvinも当時既婚でしたが、彼女に対してプラトニックな想いを抱いていたようです。ジャケットにも仲睦まじい様子がよく表れており、何よりもここで聴かれる2人の絶妙なデュエットが証拠でしょう。その後Marvinはソロとして新たな道を歩み大成功を収めるものの、離婚や麻薬依存に苦しみ、最後は実父に銃殺されてしまいます。

そんな悲劇的な運命の2人が最も幸せだった時代の名盤。


ビートルズ来日50周年記念公演 「ザ・セッションズ」

sessions

今年はThe Beatlesが1966年に来日してから50周年になります。私は当時産まれてすらなかったので、当然観てません。でもこれまで職場の先輩や行きつけの店のマスターとか知り合った人から、観に行ったとか、年齢を誤魔化して警備員のバイトとして会場に潜り込んだとか、実際の当時の話を聞いて思いを馳せてきました。

今回この来日50周年を記念して色々な企画やイベントが催されていますが、中でも私が楽しみにしていたのが「ザ・セッションズ」。これは当時のアビーロードスタジオでのレコーディングをステージ上で完全再現するという特別公演でした。監修はGeoff Emerick。George Martinとともにずっとレコーディングを担当していたエンジニアで、彼の著者「ザ・ビートルズ・サウンド最後の真実」がこの企画の元になっています。この本は私も読みましたが、当時の様子が非常に克明に記載されており興味深いものでした。しかもこの公演は6/30~7/1日本武道館という50年前の来日と同じ日程・会場ということで、楽しみにしていました。

しかし公演1ヶ月前にまさかの中止のニュース。。きっとチケットの売り上げが良くなかったのでしょう。大掛かりな舞台セットや総勢50人のミュージシャン・コーラス隊が予定されていたので、採算が合わなかったのだと思います。

きっと今後60周年とかでも、もう実施されることはないんでしょうね。残念です。。


大英帝国離脱

union

先日イギリスは国民投票の結果、EUを離脱することが決まったようですね。世界経済がパニックを起こし、日本も株安円高、本当に困ったもんです。

離脱を選んだ理由の1つに大英帝国のプライドがあったようですが、これによって自国経済が没落し、スコットランドも北アイルランドも、果てはロンドンまで失うことになったら、プライドも何もあったもんじゃないですよね。

イギリス国民が選んだことだから尊重すべきなんでしょうけど、投票率が72%ってこんな大事な投票で低くないですかね。投票後に270万人が再投票を望む署名をしたって、投票に行かなかった人も署名してるんでしょうか。

これで他のEU諸国も離脱し、アメリカがトランプを選出したら、本格的に国際協調の時代は終わりを告げますね。誰もロシアや中国を止めるものはいなくなり、中東もやりたい放題になるんでしょう。

昨夜はQueenの"God Save The Queen"を聴いてたけど、今夜はむしろこっちだな。


Henry McCulloch 他界

henry

ギタリストHenry McCullochが亡くなりました。享年72歳でした。

ネット上のニュースでは、どこも彼のことをPaul McCartneyのWingsのギタリストとされていました。確かに彼は短いWings在籍時に素晴らしいギターを残していますが、彼の経歴はそれだけではありません。

元々彼はJoe CockerのバックバンドであったGrease Bandの一員でした。素晴らしいスワンプロックを聴かせる実力派バンドであり、69年にはウッドストックのステージにも上がっています。また多くのソロアルバムを発表している他、Ronnie LaneやFrankie Millerなど多くのアーティストのアルバムでも弾いています。

さらに言うと、彼は北アイルランドの出身で、アイリッシュ伝統音楽グループSweeney's Menにも参加していました。Wingsで最初にレコーディングしたのが”Give Ireland Back To The Irish”だったのも何かの縁だったのでしょう。

RIP

 

写真家 ロベール・ドアノー

The Best of Doisneau: Paris
Robert Doisneau
Flammarion
2015-03-03


先日行ったライカギャラリーでは数ヶ月毎に色々な企画の写真展を開催しています。で、後で知ったのですが、ジム・マーシャル展の前にやっていたのがロベール・ドアノー展だったそうで。個人的に非常に好きな写真家だったので、見られずに残念でした。

私は学生の頃から結構写真が好きでした。撮る腕はないですが、写真集を眺めるのは好きで、大型書店なんかに行くとつい時間を忘れてしまいます。基本的には風景画が好きなのですが、たまに人物画を眺めることもあります。彼はそんな私が最も好きな人物写真家の1人です。

ロベール・ドアノー(Robert Doisneau, 1912-1994)はフランスの写真家で主に1940~50年代に活躍しました。彼の作品では最も有名な「パリ市庁舎前のキス」を始め、パリ市内での市民の様子が生き生きと捉えられています。また彼が切り取る絵はどれもユーモアに溢れていて、彼の温かい人柄が滲み出ていると思います。

元々私はレトロなものが好きで、また学生の頃は今と違ってファッションにも興味があったので、彼の写真に写る当時のヨーロッパのファッションも参考にしたりしていました。今となってはファッションのフの字も興味ないですけどね。。でも彼の写真は今でも大好きです。

 

モハメド・アリ他界

ali

アメリカボクシングの元ヘヴィ級チャンピオン  モハメド・アリが亡くなりました。享年74歳でした。

以前ボクシングは好きでよくTVで観ていましたが、流石に時代が違うので彼の試合は映像だけで、リアルタイムで観たことはありません。でも試合中に相手の耳を噛むようなマイク・タイソンなんかよりも絶対強いはずだと思っていました。

彼は全盛期に人種差別やベトナム戦争へ反対したことでアメリカ体制を敵に回しましたが、黒人や白人の若者にとっては間違いなくヒーローでした。リングの中と外、そして引退後と闘い続けた人生でした。

RIP


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