這いまわる人達



 うちの姫はおデブちん。現在の身長は69cmに対して体重は8500gと、明らかに横に太い。離乳食も始まり食べるものも食べるが、ちゃんと出るものも出るので、何でこんなに太ってるのか謎。そして太り気味の子の例に漏れず、うちの姫もずっとハイハイも寝返りすら出来なかった。座った姿勢のままボヨンボヨンと飛び跳ねている程度で、横への移動は一切なし。

 それが9ヶ月目の先月あたりから、ようやく寝返りがうてるようになったと思っていたら、先週遂に10ヶ月目にしてハイハイのスキルを会得した。重い体をぶっとい手足でフラフラと支えながら、ゆっくり一歩一歩進んでくる。

 すると彼女の行動範囲は一気に広がった。ベッドやソファーから転がり落ちては大泣きし、テーブルの下に潜りこんでは身動きがとれなくなる。棚やゴミ箱に向かって突進しては、手当たり次第放り投げるか、口に突っ込む。昨年購入したThe Beatlesのモノボックスも引っ張り出される危険な状態にある。これまでは定点観測で済んでいたものが、今はどこへ行くか全く予想がつかなくなった。

 こうなるともう大変だ。嫁と二人で大掃除をし、これまで下に置いていたものや、怪力で倒されそうな棚などを片っ端から片付けた。下を這っていた電気のコードなんかも壁の上を走らせた。

 これでひとまず安心だろうと思っていたところ、何と今度は黒い侵入者が登場してしまった。夏の風物詩、ゴキさんである。2年前に1cm位の小さいのが大量発生した時の騒ぎは以前のホームページでも触れたが、今度は5cm以上もあるデカい奴だ。速やかに退治をしたが、いつ次の奴が現れるか分からない。こんなのをうちの姫が見つけた日には、喜んで追いかけていって何をするか分かったもんじゃない。想像するだけでも身の毛もよだつ。

 子供の成長に喜ぶのも束の間、我が家の夏は不安が一杯である。

Shrinebuilder 「Shrinebuilder」

ShrinebuilderShrinebuilder
Shrinebuilder

Neurot Recordings 2009-10-20
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1. Solar Benediction
2. Pyramid of the Moon
3. Blind for All to See
4. Architect
5. Science of Anger

 20代の頃はヘヴィなロックもずいぶん好んで聴いていたのだが、30を超えてからは好みも変わり、ヘヴィものからも距離を置くようになってしまった。そんな中でNeurosisだけはまだ時々無性に聴きたくなることがある。イライラしている時なんかは特にそうかもしれない。サウンド的な重さではなく、精神的な重さと垣間見える芸術性がクセになるのだ。80年代末のハードコアに端を発し、作品を重ねるごとにスピードを殺しヘヴィネスの形を変えながら確立した、プログレッシブなスラッジコアとも呼べる壮大なスケールの世界観は、聴き手を選ぶが唯一無二のものである。

 そんなNeurosisのギター・ボーカルScott Kellyの別プロジェクトということでかねてから気になっていた。これまで彼のソロはNeurosisと同じダークな色彩に彩られながらも、アコースティックな作品が多かった。しかし今回はソロとは違い、バンドとしてのサウンドになっている。しかも一緒に組んでいるメンバーが強者揃いだ。Saint Vitus他のWino、MelvinsのDale Crover、Sleep・OMのAl Cisneros、といったドゥーム系の一級バンドのメンバーが名を連ねている。

 5曲しかないのだが、収録時間は40分近くはある。つまり長尺の曲が多いのだが、曲中幾度となく転調するのはNeurosisにも通じるが、それよりももう少し聴きやすい。ボーカルもメンバーそれぞれが交代で取っていることも、曲に様々な表情をつけることとなっている。ワイルドなドゥームやストーナーロックなパート、壮大なスラッジコアなパート、美しい叙情的なパートなど、集まったメンバーそれぞれの本家バンドの持つ様々なカラーが、幾重にも重なり溶け合っているようである。1回きりのプロジェクトで終わってしまうには惜しいグループである。

★★★☆



Jimmy Eat World 「Clarity Live」



1. Table For Glasses
2. Lucky Denver Mint
3. Your New Aesthetic
4. Believe In What You Want
5. A Sunday
6. Crush
7. 12.23.95
8. Ten
9. Just Watch the Fireworks
10. For Me This Is Heaven
11. Blister
12. Clarity
13. Goodbye Sky Harbor
14.What I Would Say To You Now
15.No Sensitivity

 1996年にデビューし、00年代に活況を呈するいわゆるエモと呼ばれるジャンルのシーンを牽引した立役者。以前は私も好きで、05年の渋谷公演の際は見に行ったものだったが、その後すっかり気持ちが離れてしまっていた。去年久し振りにオフィシャルを覗いたら、初期の名盤「Clarity」の10周年を記念して、このアルバムを完全再現するツアーを行っていたということを知った。しかもその音源をオフィシャルサイト限定で販売するという。きっといずれCDとしてリリースされるだろうと思って待っていたが、一向のその気配はない。仕方ないのでオフィシャルからMP3音源を購入し、ダウンロードすることにした。

 静かなM1からしっとりと始まり、名曲M2へとなだれ込む。その後アップテンポなM3とM4で畳みかけた後、ボーカルJim AtkinsのMC。「ここまでの4曲を演奏して、既にこれは僕のお気に入りのショーだよ。10年前にClarityのリリースパーティーをしたのが懐かしいね。次の曲は…」と紹介したあと、感動的なM5につながっていく。

 思えばエモというものは、パンクやハードコアを通過したオルタナティブな感触を持ちながら、感情の吐露をそのままに表現したエモーショナルなロックということで、00年代に一気に市民権を得たジャンルだったが、定義が良く分からないまま、いつしか下火になっていったようだ。そんな中JEW自身はあまりそうしたシーンに関心を持たず、ただ単に良い曲だけを書いていた。

 この99年の「Clarity」は20代の頃に何度聴いたか分からないほどよく聴いた。彼らの知名度を上げた2ndアルバムだが、特に1曲1曲の出来が秀逸で、アップテンポな曲やミドルテンポの曲、メロウな曲のコントラストも非常に効果的だった。その後のアルバムでは洗練されていくサウンドも、ここではシンプルな音作りがなされており、楽器一つ一つの音がダイレクトに捉えられているのが魅力だった。このショーでは基本的にそんなサウンドをアルバム通りに再現していた。原曲ではループで16分も続くM13も、忠実に10分くらいまで再現していた。これはできれば映像で見たいところだ。さらにできればこれで来日をしてほしかったが。

★★★★



Carole King & James Taylor 「Live At The Troubadour」

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キャロル・キング&ジェイムス・テイラー

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1. Blossom
2. So Far Away
3. Machine Gun Kelly
4. Carolina in My Mind
5. It's Too Late
6. Smackwater Jack
7. Something in the Way She Moves
8. Will You Love Me Tomorrow?
9. Country Road
10. Fire and Rain
11. Sweet Baby James
12. I Feel the Earth Move
13. You've Got a Friend
14. Up on the Roof
15. You Can Close Your Eyes

 以前勤務していた学校で担任をしていた専攻科生が先日修了式を迎えるということで、久しぶりに顔を出し列席をしてきた。彼女は私が持っていた軽音部でもギターを担当してくれており、歌声も綺麗でセンスのある生徒だった。若い割にEric ClaptonやThe Beatles、Carpentersなど古めなころが好きだったため、私も気を良くしてよくCDを貸したりしたものだった。その彼女に最後の贈り物として何かCDを渡そうと考えたのだがなかなか決まらず、迷った末にCarole Kingの「Tapestry」を贈った。1971年にリリースされ、新たなソロデビューとしてだけでなく、シンガーソングライターブームの火付け役としても金字塔となった名盤である。あの作品が今後の彼女の人生の癒しと励みになってくれればと、押しつけがましく思っている。

 そのCarole Kingだが、4月にJames Taylorと来日していた。これも残念ながら見に行くことができなかったのだが、行った人は皆口々に素晴らしかったと絶賛していた。そして今回タイミング良くその2人が2007年11月にLAのTroubadourで行ったライブがリリースされた。
アメリカを代表するシンガーソングライターであり、当時から仲の良いコンビである2人が、交互にお互いの名曲の数々をエピソードを交えながら、次々と披露してくれているのだが、やはり素晴らしいの一言。

 まずCarole King、今年68歳なはずだが、全くその歳を感じさせない。外見も若々しく、歌声も衰えていない。終始見せる笑顔がその素朴な人間性を表しているようで暖かい。また私はこれまで彼女のライブを見たことがなく、その音楽性からもっと大人しい人なのかと思っていたが、実際の彼女は立ち上がって客を煽るなど、かなり力強い女性だった。それでもこのTroubadourは小さなクラブなため比較的控え目だったようで、もっと大きなホールだとさらにパワフルなようだ。

 一方62歳のJames Taylor。かつての色男も、帽子をかぶっているジャケットだけでは分からないが、失礼ながらその頭は見事なほどにハゲあがっており、やはり歳を感じずにはいられない。しかし優しくアコギを奏でながら非常に穏やかに歌う様子は変わっていない。また曲間のMCでユーモアたっぷりにトークをしてくれ会場を暖かい笑いで包んでくれてもいる。この2人が微笑み合いながら、歌声を重ね合い、極上のハーモニーを紡ぎ出している。それは見る者、聴く者を、思わず幸せな気分にしてくれる

 バックの演奏陣も素晴らしい。Danny Kortchmar、Leland Sklar、Russell KunkelというJamesのバックバンドであり、当時西海岸で名をはせたセッショングループThe Sectionの面々が、味のあるギターと熟練のリズムを聴かせてくれている。どうせDannyがいるならThe Cityの曲なんかも聴きたかったところだが、まぁそれは言うまい。せめて日本公演で演奏してくれたくらいのフルのセットリストで見たかった気はする。

 こんなハートウォーミングなショーを見て、私もこのように素敵な歳の取り方をしたいと思った次第だった。

★★★★



John Lennon Museum



 先日、埼玉スーパーアリーナにあるジョン・レノンミュージアムに行ってきた。ここは前から気になっていたのだが、今年の9月に閉館されてしまうということで、今回急いで足を運ぶことにした。別に閉館しなくてもいいのではないかと思っていたが、なんでもここはOno Yokoの許可のもと2000年より開設されたが、Johnの魂はより多くの人に共有されるべきであるため、また違う場所に移すのだという。

 ここにはJohnの生誕から少年時代、ハンブルグでの修行期、The Beatles活動期、解散後のソロ期など、年代順に展示がされており非常に見やすかった。そして何よりもその予想以上の展示物の数々に驚かされた。愛用のリッケンバッカーや、実際に着ていた初期の革ジャン、「Sgt. Pepper」の黄色い軍服、あの印象的な丸眼鏡、アビーロードスタジオにあったミキサー、本人のクレジットカードなどまで置いてあり、終始目を奪われっぱなしだった。何よりも感動したのは、私の大好きな“In My Life”や、“Nowhere Man”、“If I Fell”、さらには“Starting Over”といった名曲の数々の歌詞の生原稿が鎮座していたことである。完成形の歌詞もあれば、その後手直しを入れたであろうものもあり、長年親しんだ名曲の誕生が目の前にあることに、深い感慨を抱かずにはいられなかった。きっとNew Yorkのダコタハウスなどから運ばれたのであろうこうした遺品の数々は、一つでもオークションにかけた日には即座に億単位の値がつくだろうなんて、考えるべきではないのだが思わず考えてしまうのだった。


  
 1980年の晩年に関しては、5年の沈黙の末に再び創作意欲を取り戻し「Double Fantasy」のレコーディングに取り組んでいく様子が日付を追って展示されていき、12月8日で終わっていた。これで順路は終了かと思いながら廊下を曲がった先に、広くて真っ白い部屋に一面に生前のJohnの歌詞からの言葉がびっしりと書き連ねられていた。これには思わず引き込まれてしまい、一つ一つの言葉を目で追った。こうした演出にこのミュージアムの意図と工夫が表れていた。

 ただ展示の中で気になったのは、60年代末のコーナーにおいてThe Beatlesの活動に関するものはほとんどなく、Ono Yokoの前衛アートや2人の平和活動ばかりが取り上げられていたことである。確かにこの時期のJohnの意識はThe Beatlesの外に向いていたし、このミュージアムに寄贈しているのはOno Yokoであるわけなので仕方ないのだろうが、「Abbey Road」やホワイトアルバムなどJohnとしてもグループとしても素晴らしい作品を作っていた時期であっただけに少し残念だった。

 またいくつか触れていない事柄も多く、暗殺されたということに関してはどこにも記載されていなかった。また大量摂取し作品にも影響を与えていたドラッグに関してや、失われた週末にはMay Pangという愛人がいたこと、主夫時代も夫婦仲は悪くかなり自堕落な生活だったことなども勿論カットされており、綺麗にまとまっているという印象だった。これはこのミュージアムに限らず、死後彼に関する多くの記述について言えることではある。子供たちへの影響もあるため仕方ないのかもしれないが、個人的には「John LennonはLove & Peaceの偉人なんです」と言われると違和感を感じてしまうのである。

 しかし何だかんだ言いながら、結局この日隅から隅まで解説を読みながら回り、気づいたら4時間も経っていた。彼のあらゆる音源や映像、書籍などを自由に楽しめるラウンジなんてのもあり非常に楽しめた。いずれ我が子にも見せたいくらいだが、今回の閉館はつくづく残念である。もしファンであれば是非閉館までに行ってみることをお勧めする。


遂に…



 その日は突然にやってきた。うちの姫は最近とにかく色んな発声が増えてきていて、「アー」とか「ウー」とか「ダー」とかのみならず、「バブー」というようなまるで漫画のような発声までバリエーションが広がってきていた。そして前日あたりから、口を大きくパクパクするようになり、それにより発声される音は「バーバー」という濁音だった。

 そんな中一家で妻の実家に帰った。お昼を食べた後、妻と義母が作業をしている間、娘と二人でソファーに腰掛け遊んでいた時のことだった。例によって「バーバーバー」と声を発している中で、いつしか「バーバーパー」という破裂音が混じるようになっていた。

 そして遂に・・・、「パーパー!」と聞こえた。え?と一瞬耳を疑った。今確かにそう言った。するとその後、私を見上げながら、「パーパー、パーパー、あー、パーパー」と何度も連呼した。これにはビックリした。隣の部屋で作業していた妻と義母も聞こえたようだ、「ちょっと、パパって言ってるじゃない。」

 ここで彼女がその単語を意図していたかどうかなどは、この際関係ない。聴き手が確かにそう聞こえたのであれば、それが発話なのである。

 大喜びをしている私を尻目に、隣の部屋から覗いている妻はちょっと悔しそうだ。そりゃそうだろう、痛い思いをしながら生んで以来、毎日片時も離れず姫の世話をしてきたのだから。私も一緒に遊んだり、風呂に入ったり、オムツを替えたりしてきたが、妻の時間はその比ではない。それなのに、姫の生まれて初めてしゃべった単語がパパなのだ。これは正に裏切り行為と言っても過言ではない。まぁ、その後映像に残そうと急いでカメラを持ってきて向けても、もうパパを呼ぶ声が聞こえることはなかったのだが・・。

 来月から保育園へ行くことが決まり、先週からならし保育が始まったうちの姫。妻も復職することになり、今後姫と接する時間が大きく減ることになる。妻の胸中はいかに。

Angels & Airwaves 「Love」



1. Et Ducit Mundum Per Luce
2. The Flight of Apollo
3. Young London
4. Shove
5. Epic Holiday
6. Hallucinations
7. The Moon-Atomic (…Fragments and Fictions)
8. Clever Love
9. Soul Survivor (…2012)
10. Letters to God, Part II
11. Some Origins of Fire

 新しい仕事にもなんとなく慣れてきた今日この頃。若い人が多い職場でやりづらさもあるのだが、残業もあまりなく休みもしっかり取れるのは良いところ。まぁ片道2時間の通勤には閉口するが。

 さてこちらはTom Delongeの新しい仕事Angels & Airwaves。Blink182の解散以降もひそかに彼の動向は追っていた。先日Blink182も再結成したらしいが、それよりもむしろこちらのプロジェクト(ではなくバンドか)が存続することの方がホッとしたものだ。世の中のBlinkのファンの中には、後期のシリアス路線よりも往年のおバカ路線を求めている人も多いようで、さらには未だにPVやライブで彼らが脱ぐことを期待している人も少なくないらしい。シリアス路線は歳を重ねた趣向の変化によるところが大きかったと思われるが、脱いだことはいわば両刃の剣であり、結果的に自分たちの首を絞めてしまったようである。AV AでやりたいことがやれているTomにとって、Blinkをやることのメリットは今はあまり感じられない。

 さて今作は早くも3rdになるが、今回はWeb上での無料配信し、任意で好きな金額を寄付という形で支払うのだという。これは以前Radioheadも行っていた手法であり、違法ダウンロードが横行する中で革新的な方法だとは思うが、いかんせんファン層が違うためどの程度バックがあるのかは不明。一応私はある程度寄付しておいたが。

 そして今作は同時に制作された同タイトルの映画とのコラボレーションになっているそうだ。このバンドの結成以来のイメージとなっている宇宙を舞台にした愛をテーマとした作品とのこと。あまりに直球すぎるタイトルだが、Box Car Racer以来描いてきた戦争や世紀末観などを通して、やはり最終的にこれが彼の一番言いたいことなのだろう。バレンタインデーにリリースというのはいかがなものかと思ったが。

 楽曲はこれまで通りとてもキャッチーでよく出来た曲が並んでおり、優れたソングライターであることを今回も示している。透明感と広がりがあり流れるような楽曲は、適度なエレクトロニクスとも相まり、スペーシーな雰囲気を醸し出している。しかしこれまでと全く同じカラーとなってしまっているため、どこかにアクセントとなる新しさが欲しかった。M10はBox Car Racerの同名曲の続編。

★★★


Ronnie James Dio 逝去



 先週メタル界には大きな衝撃が走った。Ronnie James Dioが癌のため他界したというニュース。あまり衰えるというイメージがなかったため非常に驚かされた。

 彼はハードロック・へヴィメタルにおいて最高峰のシンガーの一人だった。Ritchie Blackmoreに誘われ1977年に第一期Rainbowで華々しく表舞台に立った後、Ozzy Ozbourneの後任としてBlack Sabbathに加入。その後自身のバンドDioを結成し活動を続けていた。

 そのどこまでも伸びるハイトーンと、小柄な体格からは想像できないほどの驚くべき声量は大きな説得力を持っており、正にメタル然としたボーカリストだった。また彼の持ち込んだ中世的な世界観も後世に与えた影響は大きい。

 享年67歳。近年も再結成Black Sabbath(Heaven & Hell)として第一線で活躍していたばかりだったし、Jack Blackの映画「Tanacious D」でもゲスト出演し、その健在ぶりを見せてくれていた。

 小さな巨人よ、安らかに。



彼は名曲が多いのだが、今回は象徴的なこの曲を。

Belinda Carlisle 「Runaway Horses」

Runaway HorsesRunaway Horses
Belinda Carlisle

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1. Leave a Light On
2. Runaway Horses
3. Vision of You
4. Summer Rain
5. La Luna
6. (We Want) The Same Thing
7. Deep Deep Ocean
8. Valentine
9. Whatever It Takes
10. Shades of Michaelangelo

 今月から新たな会社で仕事を始めた。都心までの通勤、ボロ雑巾のようになりながら何度も乗換え、片道2時間弱かかるのには、うんざりさせられる。いくつか行き方はあるのだがどれも微妙で、未だに定期も買えていない。朝も早いし。ただその分早く帰れるのはありがたい。

 そんな中、先週5/7~11にBillboard LiveでBelinda Carlisleが来日してコンサートが行っていた。先日のSusanna Hoffsといい、Billboard Liveさんは80年代の懐かしどころを呼んでくれる。しかし私は残念ながら参加できず。今回はどうやらアコースティックのセットだったようだが、なかなか盛り上がったようだ。

 さてBelinda CarlisleはSusanna Hoffsとともに私の青春であった。中学生の頃大好きで、そのいわゆるお姉さん系のルックスがタイプだった。同系統として、女優のJody Fosterや南野陽子あたりも好きだったものだ。さすがに今はもうみんな歳を取ったが。

 Belindaはもともと4人組のガールズグループThe Go-Go’sのリードボーカルとして81年にデビューしている。当時は短髪でボーイッシュなイメージだったが、その後グループが解散し86年にソロデビューしてからは、大人の女性としてイメージチェンジしている。

 彼女の最大のヒットシングルは87年の"Heaven Is A Place On Earth"だろうが、アルバムとして1枚選ぶなら89年の「Runaway Horses」だろう。何しろM1~M6までシングルヒットした、まさにグレイテストヒッツ的な内容だ。今回のライブでもM1~M5まで5曲も取り上げて歌っていたようだ。特に爽やかなM1とスパニッシュな新境地のM5は名曲。またシングルカットされた曲以外でも、M1とM7ではGeorge Harrison、M6ではTotoのSteve Lukather、M9ではBrian Adamsと豪華なゲストが参加したりしている。爽やかで甘酸っぱい楽曲の数々に、低音から高音までよく伸びるBelindaの艶のあるボーカルが乗り、みずみずしい当時の雰囲気を伝えてくれる。私をいつでも青春時代に連れ戻してくれる、80年代ポップスの一つの完成形である。

★★★★


ボブ・ディラン自伝

ボブ・ディラン自伝ボブ・ディラン自伝
菅野 ヘッケル

ソフトバンククリエイティブ 2005-07-16
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 コンサートの興奮が冷めやらず、以前から読みたかった自伝にようやく手を出した。Bob Dylanについての伝記本はこれまで多く出版されてきているが、この2005年に出版された自伝は当然のことであるが彼自身の言葉で書かれている。そこが重要である。

 1941年にMinnesota州Duluthの中流階級に生まれ育った後、単身New Yorkに出てきて下積みをするのだが、そうした苦労した時代の回想が読めるのは非常に興味深い。Woody GuthrieやHank Williams、Robert Johnsonといった巨匠たちに感銘を受け、ジャズやブルースやカントリーなど様々な音楽に対して深い造詣を持ちながらも、フォークという音楽に強い拘りと信念を持っていたことが印象に残る。(死の直前のWoody Guthrieに会っていたというのも興味深かった。) そして社会情勢に対しても深い洞察を持っており、それがプロテストフォークという形を取ることが、至極当然の流れであったことが分かる。

 やがて伝説的なA&RマンのJohn Hammondによって見出されデビューに至るわけだが、その後瞬く間に時代の代弁者として祭り上げられることになる。ここではその当時については詳しく述べていないが、後年バイク事故による隠遁期にそれを振り返って、自身を「プロテスト王子」とする世間の扱いに対して当惑や怒りが率直に表現されており、Bob Dylanもやはり一人の人間なのだということを伝えている。

 また本書は一気に時間をまたいで、「Oh Mercy」制作の過程についても触れている。プロデューサーDaniel Lanoisとの意見相違もあったようだが、Dylanは曲を構築していく中で、楽器のサウンドを色々付け加えていくよりも、むしろボーカルを際立たせて歌詞のメッセージを伝えていくということに重きを置いていたことが分かる。それはフォーク期から変わらない表現者としての拘りだったのだろう。

 本書が触れている時期はそれぞれかなり飛び飛びになっているのだが、願わくばこの自伝でデビュー後やフォークからロックへの移行期の頃についても触れてほしかった。しかしこの時期はきっと彼自身も触れたくなかったところなのだろう。ひとまず本書の原題が「Chronicles Volume One」となっているので、「Volume Two」が出版されることを期待したい。


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  • Isis 「Oceanic」 (2002)
  • Cave In 「White Silence」 (2011)
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